来季からプロ野球イースタン・リーグ新規参加が内定しているルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCは26日、東京都内で会見を開き、11月1日付で球団名を「オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ(BC)」とすると発表した。食品宅配会社「オイシックス・ラ・大地」(東京)とのメインスポンサー契約締結(契約期間5年)による変更で、略称は「オイシックス」。イースタン・リーグ参加は11月22日のNPBオーナー会議で承認されれば、正式に決定する。

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17年の球団の歴史から大きな1歩を踏み出した。11月22日のNPBオーナー会議で、イースタン・リーグ新規参加の正式決定を目指す新潟が、新球団名を発表した。新潟アルビレックスBC池田拓史社長(42)は「ファームリーグ(2軍公式戦)参加における短期間での安定した球団経営の形を1日でも早く構築していきたい」と話す。24年1月以降に球団代表取締役会長に就任することが決まったオイシックスの高島宏平社長(50)も事業規模の拡大を含め「やれることは何でもやりたい」と意欲を見せた。

球団は「日本一の“おいしい球団”へ」の目標を掲げた。広報資料で「食を通じた選手育成のサポート」や「食も楽しめる野球観戦の実現」を挙げ、最終的には「26年までに日本代表選手の誕生を目指す」と宣言した。説明した高島社長は「目標を決める上で、どこよりも選手がすくすく育つ球団にしたいと思った。新潟アルビレックス出身で日本代表を輩出できれば」と選手育成に力を注いでいく方針を示した。

4月のファームリーグ新規募集から約5カ月、各種審査、審議の結果、9月29日に参加内定を得て、メインスポンサー契約にも至った。正式承認には施設整備なども条件になっている。池田社長は「短い期間、難しいテーマにもかかわらず、前進する大きなご支援をいただいた。目指すべき事業規模にも少しずつ近づいていますし、オイシックスの皆さまには感謝しかありません」と述べ、「10月上旬に比べれば、かなり大きく前進した。まだまだハードルはあるが、11月の正式決定に向け、全力で頑張っていきたい」。橋上秀樹監督(57)の続投も決まった。“新生アルビ”が動き出した。【大島享也】

来季4季連続で指揮を執る橋上監督「来シーズンのことについては初めての試みですし、手探りのことが多くある。ただ、やる以上は高いレベルの野球を提供できるように、たくさんの方々に応援していただけるような、また楽しんでいただけるような試合を数多くやっていきたい」

◆新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ 06年8月に設立。独立リーグのBCリーグにはリーグ初年度の07年から参加。初代監督は元巨人の後藤孝志氏。12年、高津臣吾監督(現ヤクルト監督)のもとで独立リーグ日本一に。BCリーグ優勝は2度。21年からは元ヤクルトの橋上秀樹監督が指揮し、来季続投も決まっている。NPB在籍のOBは阪神渡辺雄大投手、DeNA知野直人内野手ら。

◆オイシックス・ラ・大地株式会社 2000年(平12)6月に設立。東京都品川区に本社を置き、安心・安全に配慮した農産物、ミールキットなどの定期宅配サービスを行う。子会社の移動スーパー「とくし丸」や、米国でヴィーガンミールキットを展開する「Purple Carrot」など食のサブスクリプションサービスを展開する。高島宏平代表取締役社長。