虎のケイン誕生だ! 阪神から育成2位で指名された白鴎大の福島圭音(けいん)外野手(4年=聖望学園)の名前の由来はアクション俳優ケイン・コスギ(49)から。「母親がケインさんのファンだから自分に名付けただけなんですけどね」。そう言って笑う171センチの小柄なボディは身体能力抜群だ。

関甲新学生野球の今春リーグ戦では、開幕から8試合で20盗塁をマーク。15年ぶりにリーグのシーズン記録を更新した。50メートル走5秒8の俊足で「思い切って1球目からスタートが切れる自信はあります」と胸を張る。左打席から繰り出すシュアな打撃で、打率5割2分6厘で首位打者にも輝いた。

白鴎大は大山の母校、聖望学園は鳥谷敬氏(日刊スポーツ評論家)の母校と阪神とも縁がある。「小学生のころからずっと阪神ファンで鳥谷さんが好きだった。阪神に指名されて本当にうれしい」と目を輝かせる。目標は同じ中堅を守る近本だ。「聞きたいことは山ほどあります。スタートの切り方やプロでのクセなどの見抜き方など」と、一緒にプレーできる日を心待ちにした。「1日でも早く支配下になってチームの力になりたい。スピードスターになりたい」。ケインが育成2位からはい上がり、甲子園を駆け巡る。【石橋隆雄】

◆福島圭音(ふくしま・けいん)2001年(平13)10月6日生まれ、埼玉県秩父市出身。尾田蒔小3年から秩父ドリームスで野球を始める。秩父第一中野球部から聖望学園へ。甲子園出場はなし。白鴎大では2年生から外野のレギュラーをつかむ。趣味は将棋。好きな芸能人はお笑い芸人の兵頭大樹(53)。好きな言葉は「人の幸せを願える人になる」。50メートル5秒8、遠投110メートル。右投げ左打ち。171センチ、72キロ。