新生侍ジャパンが、ミスターの後押しを受けて再び歩み始めた。宮崎秋季キャンプが6日、宮崎市清武でスタートし、井端弘和監督(48)が目を見張らせた。シートノックでは内野の選手に複数ポジション守らせて適正を見極めると、フリー打撃では振りの強さを確認。「キャンプをやってきただけあって、振れている。使うのにはかなり悩むなと思います」と起用策を模索した。

出発前のチーム宿舎でミーティングを行い、若侍に呼び掛けた。「思い切ってやって欲しい」とブレーキよりもアクセルを踏ませた。24歳以下、または入団3年目という若手中心で臨む「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(16~19日、東京ドーム)。柱として3月のWBCから唯一選出した牧をリーダーと期待する一方で「誰が引っ張るとかではなく、みんなで和気あいあいとやってくれれば。(ムードメーカーは)みんなのような気がします」と全員で作り上げていく。

キャンプ出発前日の4日、ミスターから激励が届いた。長嶋茂雄氏(87)の直電を受け「自分の色を出して、また新しいジャパンを築いてくれ」と声を掛けられた。「すごく威勢のいい元気な声で『勝つだけだから』と言ってもらった。すごくありがたいし、すごく楽になりました」。03年アテネ五輪予選で「長嶋ジャパン」のメンバーとして戦ってから20年、ミスターと同じ代表のユニホームに袖を通した。

初日を終えた井端監督は「ずっと見守っていただけですけど、緊張感とかそういうのはあったのかなと。どっと疲れが出てきました」。重みを感じながらスタートを切った。【栗田成芳】