上武大（関甲新学生1位）は、日本ハム2位の進藤勇也捕手（4年＝筑陽学園）の大学通算9本目となる逆転3ランで2年連続10回目の明治神宮大会出場を決めた。進藤は2点を追う8回無死一、二塁からスライダーを左翼席最前列へ運んだ。

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進藤が指揮官の思いに応えた。8回無死一、二塁。谷口英規監督（54）からはノーサイン。「バントかな、と思ったんですが。打率も打率なので」。思いもよらぬノーサインに『任せたぞ』という指揮官の思いが伝わった。「ここで打たないといけないと思いました」。今大会初安打がチームの危機を救う決勝打に。ダイヤモンドを駆け抜けながら、スタンドで跳びはねて喜ぶチームメート、笑顔で待つベンチに目をうつした。「本当にうれしかったですね。チーム全員で戦った結果です」。主将らしく勝利を喜んだ。

苦しみ抜いた先に、最高の瞬間が待っていた。秋のリーグ戦は9試合で打率1割6分7厘。8回まで無安打。まだまだ終わらせない。4年間の思いを込めた。「神宮に行ける切符をつかんだのは大きいこと。ここまできたらしっかり優勝して神宮に乗り込みたい」。進藤は、チームのために最後の瞬間まで戦いきる。