侍ジャパン井端弘和監督(48)が、準備にこだわりながらも初白星をつかみとった。実戦2試合目となった広島との練習試合で、6回の集中打で逆転勝利を収めた。「後半でしたけど、いいつながりを見せてくれた」と12安打6得点。2日前、無得点だった巨人戦から着実に段階を踏んだ。

一晩かけて練りに練った打順だった。多く打席に立たせるために、途中合流した阪神勢の佐藤輝を異例ともいえる1番に配置。実際に5打席回り無安打も、実戦感覚を最優先した上での結果だった。4番牧の後ろには、チャンスメーカー小園と、ポイントゲッター万波を並べてつながりをもたらし「器用な選手を間に入れてみた。1つかみ合えば1イニングで3、4点取れる打線」と手応えは十分。朝まで考え抜いた打順で、収穫は「準備」と「勝利」の両取りだった。

巨人戦ではノーサインだったベンチワークも本番を想定した。9回先頭の藤原が出塁すれば、2打点の森下にも「バントという選択肢も考えていました」。実際は左飛に倒れて実現はしなかったが、1点を争う場面に備えた戦略にも余念がなかった。16日から始まる「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(東京ドーム)に向け「キャンプ、練習試合と、ほぼ自分の状態を意識したと思うんですけど、もうこれからは相手との試合。まずは勝つことを前提に置いて、各自やってくれれば」。個からチームへとシフトしていく。【栗田成芳】

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