そら、もうメロメロよ-。阪神岡田彰布監督(65)が19日、高卒ルーキー左腕の門別啓人投手(19)の潜在能力の高さにベタぼれした。この日で高知・安芸での秋季キャンプが打ち上げ。若手中心のメンバー構成で、特に目を引いた選手に門別の名を挙げ、「隠しときたいよ」と岡田節で最大級の期待を寄せた。球団史上初のセ・リーグ連覇へ必要な新しい力として、2年目の24年に大ブレークの予感だ。指揮官の一問一答は以下の通り。

 

-秋季キャンプを振り返って

「4クールやったんかな。1日からかな。(自分は)2クールやったけど、なあ。まあでもなんか、チームがねえ、チームとして日本一までいったから…なんか。そういうのを加味されている気がしたなあ、若いやつもな。だから1軍が優勝したいうても、やっぱり阪神タイガース全部で、勝った、いうね、ちょっと1軍かじったやつもおるしなあ。そういう意味で、なんかなあ、去年とはメンバーだいぶ違うけど。若いやつもそこでな、ちょっとでも戦力になろうという、なあ。なんかそういうのは見えるよなあ」

-一番の収穫は

「だから。いやいやすごい、うまあなっていると思うよ。俺らもほんと2クールしかやってなかったけど。キャンプでみた、まあ(2月に)合同で紅白やって、そないして若いのをみたけど、そのときに比べたら、みんな全然レベルアップしていると思うよ」

-その中でとくに目を引いたのは

「そら門別やろう。まあ1軍の2試合の登板がなあ、すごい自信をつけたと思うし。まあ、そら他のピッチャーもよくなっているけど。まあ、ブルペンのあのボールを見たらなあ。おーん、すごい。まあ若いやつの成長度いうたらすごいけどなあ。自信をつけて、そののびしろがなあ、とくに若いやつはのびしろが、まだまだこれからのピッチャーやけど、そんだけなあ。1年でガラッと変わるというか、すごい自信をつけたし。自信つけただけじゃなしに、ちゃんとみんなが認めるようなボールもいくようになっとるしなあ。すごいね」

-初めて1軍で投げた2カ月前よりも変わっているか

「いや変わってる、変わってる。まあ広島で投げた時も。まあそれは今年1年やって、徐々によくなってファームからの推薦で投げさせたわけやからなあ。別に、こっちからピックアップしたんちゃうからなあ。まあ優勝とか、決まった後で投げられるチャンスができた、いうことで、それがあいつにとってはよかったんちゃうかなあ。はっきりいうて。まあ優勝争いしてて、競ってたら投げさせられへんやんか、当然なあ」

-19歳はひと冬越えたら楽しみ

「楽しみどころちゃうよ。隠しとくよ。あんまり新聞に書くなよ、ホンマに。隠しときたいよ」

-オープン戦でどんどん投げさせると言っていた

「これ、隠さなあかんわ、どっか行かそか、台湾かどっか。わからんようなところで投げさせて」

-来年、新戦力のプラス1になっている

「プラスワンどころじゃないかもしれんで、これ」

-ローテ入りも?

「当然やろ、あのボール見たら。開幕ローテも狙える力あるわな」

-現時点でそれほど期待している

「してる、してる。07年オフ、岩田が10勝できると思って、次の年に10勝したけど」

-年齢考えたらそれ以上に期待。井川くらいか

「そら(若い頃の)井川より、全然いいよ、そら。井川は1年目、2年目でもファーム選手権でワンポイントで投げてた。浦添で、1イニング投げきれなかった。浜中、関本…。浜中がMVP取った時やから。金沢が先発やから。2年目ちゃうかな」

-優勝チームの投手陣の中でもローテの期待

「だから誰か外さなあかんようになるわな。7人で回すのはもったいないからな。それくらい期待感があるということやなあ」

-現時点で1つ注文をつけたいことがあるとすれば

「いやいや、あんまないよなあ。それはほとんどストレートばっかり投げてるけどなあ。まあ、あのストレート投げとったら変化球も生きてくると思うで、自然とな。(変化球の)種類はまだそこまで少ないかも分からんけど、やっぱりストレートやからな、基本的にはな。バッティングめちゃくちゃいいらしいやんか(笑い)。思ってる以上やわな。あの9月末に投げさせたな、それよりもまた、一段とようなってるんちゃう、このキャンプ来て」

-さっきは冗談ぽく聞こえたが、本当に隠したいと思っている

「いやいや、ほんまに隠したい、どっか行かそうかなと(笑い)」

-相手にも研究される

「そら当然、相手のスコアラーとかも絶対来るからなあ」

-当然、キャンプでも実戦で投げさせると思うが

「隠す言うてんのに。ちょっとキャンプどっか行かそうかな」

-他球団のスコアラーに見せたくない

「いやあ、見せたくないわ、おーん」

-監督が「門別もうひとつや」と言ったらいい

「だから、あんまええことないって書け言うてるやん(笑い)」

-長く監督をやっているが、この時期にそんなことを思ったピッチャーはいなかった

「おー、いないいない。ここであの岩田くらいやな、2007年のなあ。これは岩田は来年は2桁勝てるなあと思ったけど。2桁なあ。3桁は勝てへんから2桁やもんなあ、言い方にしたら(笑い)」

-村上、大竹が今年あれだけの成績を残してもひと冬越せば相手も変わる

「変わる変わる。そら向こうも研究するしなあ」

-そういう意味では新しい戦力は必要

「いや、村上なんかもまだまだ伸びしろあるんちゃう、はっきり言うて。あのへんはまだ3年目か、まだまだそらなあ、もっと大きく羽ばたく可能性がはあるよ」

-ピッチャーは何枚いても足りないことはないと

「もう十分よ。1年でなあ、1人ずつ増えてもすごいよ、それは。今年は2人増えたわけやから、村上、大竹となあ。年齢的にもまだまだこれからやんか。これからもっと自信つけてな、もっと経験積んでのピッチャーやからなあ、プラス2になったのはなあ、それでまたプラス1、毎年そないしてなるのは、それはもう余計若なるよな、メンバーがなあ」

-他のピッチャーへの刺激も大きい

「いやそらお前横で一緒に投げとったらそれはわかるやろ。ええ、あれ。自分投げたらポソ、ポソいうてんのが横でビシャ、ビシャってええ音鳴るんやから、それはお前、刺激にはなるよお前、全然違うわそれは」