広島のドラフト3位、星槎道都大・滝田一希投手(21)が20日、札幌市内のホテルで仮契約を結んだ。契約金5000万円、年俸1000万円(金額は推定)で合意した。背番号は今後決定する。最速153キロ左腕は、昨年5月に他界した母美智子さんの墓を建立する意向を示し、生涯広島宣言も飛び出した。

 

球団と約50分間の仮契約を終えた滝田が、会見で誓った。「母は家が欲しいと言っていた。買ってあげた家(墓)がこれからの家になるので、いいお墓を建てられればいいなと思う」。昨年5月に母美智子さんが心筋梗塞で急逝。お骨は地元黒松内町の寺に今も預けている。「母は一軒家が欲しいと言っていたので、大きくて母が好みそうな感じにしたい」と墓を建立して、母への恩返しを考えている。

母が亡くなった後、食事面を中心に身のまわりのことなどの面倒を見てくれた姉の優衣さん(27)がこの日、仮契約の場に同席してくれた。「ずっと支えてくれた姉なので、感謝しなきゃいけない。今日も横にいてくれて心強かった」とほおをゆるめた。

6人きょうだいの5番目で、兄2人、姉2人、弟が1人いる。家族の夢も背負って今後の活躍が期待される。次女の優衣さんは「いよいよプロ野球選手になるんだなと実感しています。すごく努力して頑張ったんだなと尊敬しています」と目を細めた。滝田は「みんなが支えてくれたので、まずはおいしいものをみんなで食べたい」と家族全員に感謝の思いを伝える。

球団からは白武佳久スカウト部長(63)と、担当の近藤芳久スカウト(58)が出席した。近藤スカウトは「ケガだけは気をつけて。キャンプが大事なので、ランニングだったり、まずは体づくりを」と背中を押した。

広島の真っ赤な帽子を被った滝田は「1番評価していただいた球団。この球団で生涯、野球を終えるという目標ができた。ずっとカープで活躍できるような選手を目指したい。カープでいっぱい稼げるように」と、生涯広島宣言も飛び出した。恩返しと感謝を胸に、プロの舞台へと羽ばたく。【山崎純一】

 

◆滝田一希(たきた・かずき)2001年(平13)12月28日、北海道黒松内町生まれ。黒松内小3年時に黒松内スターズで野球を始める。黒松内中では軟式。寿都3年の夏は小樽地区予選1回戦で敗退。50メートル走6秒1。遠投100メートル。趣味はテレビで野球観戦。好きな食べ物はオムライス。好きな女優は森七菜。家族は姉2人、兄2人、弟。血液型A。183センチ、77キロ。左投げ左打ち。

 

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