年末の風物詩で、今年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」が1日、都内で発表され、38年ぶりの日本一を達成した阪神タイガースの流行ワード「アレ(A.R.E.)」が年間大賞に輝いた。21年の「リアル二刀流/ショータイム」、昨年の「村神様」に続いて、野球関連が3年連続の快挙。阪神関連では過去に03年の「勝ちたいんや!」など3度ノミネートされていたが、年間大賞は初受賞となった。「アレ」の“原案者”である岡田彰布監督(66)が受賞者となった。

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まずはトップ10の発表に呼ばれ、岡田監督は選考委員のやくみつるさんから記念の盾を受け取った。

そこで明かしたのは、「アレ」が持つ“もう1つの意味”だ。

「ちょうど1年前なんですけど、15年ぶりにタイガースのユニホームを着て、18年も優勝してないチームが優勝優勝言うなと。これはオリックスの時も言ったんですけど、オリックスの時はあんまりインパクトなかったですね」と笑わせると「タイガースは強いインパクトがあって。ほんとはそうなんですけど、プレッシャーをはねのけるためにアレって言ったんですけど」。さらに「もう1つ(理由が)あるんですけど」と続けた。

「近くにある『コレをとって』っていうのは手が届くんですよね。コレなら手が届く。『あちら』というと遠い感じがする。タイガースはこの3、4年ずっと、2位、3位をいったりきたり。もう少しで優勝、そこまでまでいってるのに、最終的には負けてしまう。そういう意味で、『アレ』というのは、もう少しなんかにたどりつくというか、『もう少し』っていうのが加味されるというので。これはプレッシャーのかからない言葉と『アレ』をしたらちょうどいいなと」と明かした。

「野球は1人でできないので、みんなの力で勝つことによって、関西では毎日アレという言葉を発してもらえまして。想像以上の反響で、その結果、38年ぶりの日本一ということで。とにかく関西を盛り上げましたし、スポーツ界も盛り上がった1年だと思うので、少しでも貢献できてよかったと思います。ほんとにこの受賞、ありがとうございます」とあいさつした。

コレでもなくあちらでもなく、アレ。岡田監督の「もう少しで優勝できるチーム」という思いを、38年ぶりの日本一という形で完成させた。

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