ひときわ目を引く快速だった。ベースランニングが始まると育成2位の福島圭音(けいん)外野手(22=白鴎大)が別格の走りを披露。視察に訪れた平田勝男ヘッドコーチ(64)も絶賛するほどの俊足で「ケインの足」を印象づけた。

この日はタイム計測はなかったが、「今はまだけがをしないように8割ぐらい」と全力を出さずして同期との格の違いを見せた。50メートル5秒8で、白鴎大時代は関甲新学生リーグ新記録のシーズン20盗塁をマークした俊足。「足が一番アピールできるところ。今回入団した中で、そういう(足が武器の)タイプは自分しかいないので、足は目立ちやすいかな」とどんどんアピールにつなげる。

練習を見守った平田ヘッドも福島の足が脳裏に焼き付いたようす。「いい足してる! 足があるのは非常に武器になると思うんでね。そういう意味で育成で取ったと思うし、楽しみだよ。育成の子とかは何か1つ武器があるのはいいアピールになるよな。ビデオで見るのと実際見るのとは違うね」と絶賛。育成ルーキーが目の前で長所を生かしてインパクトを残すことに成功した。

2月の春季キャンプでは昨年に続いてOBの赤星憲広氏(47)も臨時コーチとして指導にあたる。福島もスピードスターから吸収するつもりで、「いろいろ聞いてみたいです。癖とか駆け引き、ベースランニングの回り方。人それぞれあると思うので、自分にはまるものがあったら教えてもらいたい」と目を輝かせた。一流の技を身につければ、足のスペシャリストとしてアピールにつながる。得意分野をどんどん伸ばして「背番号126」が進化を目指す。【林亮佑】

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