懸命に腕を振り、さっそうと駆け抜けた。阪神ドラフト3位の山田脩也内野手(18=仙台育英)が22日、鳴尾浜球場で行われた新人合同自主トレ恒例の3000メートル走で1位になった。球場の内周(400メートル弱)を計8周半する長距離走。序盤から百崎、下村、福島と先頭集団を走り、一番乗りでゴールした。

8周目にラストスパートをかけた山田が抜け出すも、最後の直線で同じ高卒内野手の百崎が猛追。後ろを振り返り、追い上げに気づくと一気にペースアップした。ゴール直前でデッドヒートを繰り広げ、最後は鮮やかに振り切った山田がトップでフィニッシュ。「結構しんどかったです。ここで負けるのちょっとあれだなと思ったので最後、力を振り絞って走りました」。息抜きに寮で楽しむというゲームでは下村に15連敗中だが、グラウンドでは「初勝利ですね」と18歳の笑みがはじけた。

体力自慢の18歳は次代の鉄人候補だ。阪神の大先輩には1492試合連続フルイニング出場の世界記録を持つ金本知憲氏、プロ野球歴代2位の1939試合連続出場を誇る鳥谷敬氏(日刊スポーツ評論家)ら球界屈指の鉄人たちがそろう。小学生から高校まで金本氏と同じ背番号6を背負ってきたルーキーは今、先輩勢の背中を追って土台作りに励んでいる。

「1年間戦える体をしっかりつくっていかないといけない。もっと体の芯を強くしないといけないと思いますし、体力的にももっとレベルアップしないといけない」。歴代の鉄人ばりの強靱(きょうじん)な肉体を手に入れ、この日の3000メートル走ばりにプロの世界で先行逃げ切りを狙う。【村松万里子】

◆阪神新人合同自主トレ3000メートル走のタイム

1位山田 12分41秒

2位百崎 12分42秒

3位下村 12分45秒

4位福島 12分51秒

5位石黒 14分12秒

6位津田 14分21秒

7位椎葉 14分29秒

8位松原 14分58秒

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