アベに負けんとアレよ! 阪神岡田彰布監督(66)が27日、阿部慎之助監督(44)率いる新生巨人に警戒警報を出した。球団創設90周年を迎える宿敵は新指揮官を迎え、メジャー通算178本塁打のルーグネッド・オドーア外野手(29=パドレスFA)を獲得するなど、投打の補強を進めて戦力アップ。昨季は同カードで球団最多の18勝を挙げて貯金12を荒稼ぎしたが、今季はV2の障壁になる存在として手綱を締めた。

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リーグ連覇へのキーポイントは明確だった。今季手こずりそうなチームは? 生出演したMBSの情報番組「せやねん!」で問われた岡田監督は、迷いなく「巨人」の名前を挙げた。

「去年、勝ちすぎですよ。こんな力の差はない、ハッキリ言って」

昨季は巨人戦で稼いだ18勝&貯金12は伝統の一戦史上、球団最多だった。そのライバル球団は2年連続Bクラスに沈むが、今年は球団創設90周年。さらに阿部新監督を迎えた。「相当、今年は覚悟を持ってくると思う」と一筋縄にはいかない戦いをイメージした。

甲子園で応じた取材では戦力の上積みを警戒。「補強も一番してるんちゃう? セの他の球団に比べたらな」。前ソフトバンクの高橋礼や、阪神の馬場らを獲得して課題の中継ぎ陣を整備。メジャー通算178発を誇る左の大砲オドーアが補強の目玉になっている。

「一番気になるのは外国人やろ。最近、メジャーでホームラン何百本打ってるのって来てないやんか。キャンプでスコアラーが当然マークするやろ」

年間30発以上3度の実力者、オドーアは要警戒人物。2月23日、3月10日とオープン戦で2度の対戦予定があるが「最初が大事やけどな。最初のイメージというかな」と対戦機会があれば出ばなをくじく考えだ。

昨年、岡田監督のライバル予想は当たった。監督就任会見で「巨人はそんな意識しない」とノーマークを宣言し、実際に勝ちまくった。一方で「解説者をしていたら、優勝(予想)はDeNAにしていた」という三浦DeNAは昨年、優勝争いに絡んできた。その眼力は、V2に立ちはだかる壁として巨人を指名。力の差は「そんなない」と認め、早くもロックオンだ。

巨人とは3月29日の敵地開幕戦で激突。敵将は昨年11月、早々に戸郷を開幕投手に指名した。「先手打たれたけどな。えらい早よ言うたな思って」。そう驚きながらも「俺はそんなこだわりないんやけどな、開幕投手は」と自身は大役を誰に任せるかの手の内は明かさない。阿部監督は昨年の就任会見で「本年はアレで盛り上がったけど、来年はアベで盛り上がっていきたい」と宣言しており、今年は「アレVSアベ」が注目ワードになる。23年は開幕3連戦3連勝から始まったアレロード。24年はアベ撃破で幕を開ける。【中野椋】

◆今オフの巨人の補強 目玉はメジャー通算178本塁打のオドーアで、8年連続2桁アーチの実績がある左の大砲候補。投手陣ではウォーカーとのトレードでソフトバンクから実績のあるサブマリン高橋礼と泉、オリックスの元セットアッパー近藤を金銭で獲得した。阪神からは2投手を獲得。自由契約のケラーは昨季、家庭の事情で帰国したが、27試合で防御率1・71。現役ドラフトで入団の馬場も、重い速球で阪神救援陣の一翼を担ってきた。ドラフト1位右腕の西舘は、155キロの速球を主体に即戦力の期待がかかる。

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