ロッテのキャンプイン直前企画「ドラ1に聞くロッテキャンプ」がスタートします。4日連続でドラフト1位で入団した選手に、今季に懸ける思いなどを聞きます。第1回は23年のドラフト1位、上田希由翔内野手(22=明大)。初めてのキャンプは、自覚を持って臨みます。【取材・構成=星夏穂】

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プロ野球選手としての初のキャンプ。上田は「職業に変わるので、しっかり結果を残せる状態を作らなきゃいけないですし、結果残すためにも、もらったチャンスを大事に。印象も残せるようにしたい」。開幕1軍へのアピールは、キャンプ初日から始まることを心得ている。

明大で主将を務めた上田は、新人10選手の中でもすでにキャプテンのポジションを確立している。入寮して1週間も経たないうちに、高校生の早坂響投手(18=幕張総合)や寺地隆成捕手(18=明徳義塾)から「何かだめなことがあったら注意してください」とリーダーとしての信頼を寄せられ、実際に寮生活を律することも。次第に新人同士の仲も深まってきた。新人合同自主トレ休養日には一緒にゲームをしたりと「(12球団の中で)一番仲いいんじゃないかと思います」と話す。

だが、決してなれ合いではない。新人合同自主トレ期間、1人室内練習場に残ってバットを振る上田の姿があった。「やっぱり同期だし、言ってしまえば、高校生もいるので。一緒にやるのはっていうのは。それだったら自分でやった方がいいかな」と自分のペースで練習する。

まだ慣れないことも多い。「(大学野球を)引退してからの期間で、自分の体の強さだったり、強度を上げたっていうのもあって、なかなかキレを出すために動いてはなかったので。ここからは、強度っていうよりかは、体のキレが出る方に持っていければ」と焦らず調整していく。

吉井理人監督(58)は今季、内野のポジションをコンバートする構想があり、上田と同じ三塁は昨年二塁でゴールデングラブ賞受賞の中村奨吾内野手(31)が守ることになりそう。上田は「バッティングでアピールしていきたい」と話す。「しっかりもらったチャンスを生かしていけたら」。新人ドラ1は気を引き締めた。