ロッテがメジャー式差別化で選手の向上力をあおる。今季から2軍ユニホームを導入すると1月31日、発表した。従来のユニホームにあるピンストライプがなく、白地のシンプルなデザイン。メジャー経験のある吉井理人監督(58)がメジャーとマイナーでユニホームが異なる米国のスタイルを参考にして発案した。キャンプからオープン戦まで全選手、首脳陣が2軍ユニホームを着用する異例かつ徹底的な試み。開幕戦で晴れて1軍のピンストライプに袖を通し、ペナントもサバイバルで制す。

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1軍の戦闘服が着られるのは、選ばれし者だけだ。発案者は吉井監督。米国でプレーし、メジャーとマイナーの格差を目にしてきた。「マリーンズのピンストライプのユニホームに重みを出したい。1軍メンバーに入らないと着られない」と意図を明かした。2軍のホーム用のユニホームはシンプルな白が基調。首元と袖に球団理念にある「勝利への挑戦・勝利の熱狂・勝利の結束」を表現したブラック、ホワイト、グレーの3本線を施している。だが1軍の象徴であるピンストライプはない。

徹底的に競争心をかきたてる。キャンプインの2月1日はセレモニーがあるため1軍ユニホームを着用するが、2日から1、2軍の全選手、首脳陣がファームユニホームを着用。オープン戦でも継続され、晴れてピンストライプの入ったユニホームに袖を通せるのは開幕戦の3月29日の日本ハム戦(ZOZOマリン)から。「ピンストライプに袖を通すことを目指して2月の春季キャンプから頑張ってほしい」とはっぱをかけた。

キャンプイン前日に12球団の大トリを飾って今季のスローガンも発表した。「自分たちを超えてゆく。」に決まった。発表後、改めて報道陣からスローガンを問われると「え~、ごはんをたくさん食べる」と吉井節で現場を和ませた。だが競争についてはユニホーム改革から見てもシビアだ。 「勝利から逆算した行動を思いっきりやってほしい」と願いを込めた。今季はキャプテン制を敷かない。「若い子たちがそれぞれ、俺がキャプテンだと思うような気持ちで、プレーに臨んでほしい」。ピンストライプのユニホーム争奪戦はすでに始まっている。己を超えなければ、1軍の資格は得られない。乗り越えた集団を作り上げ、栄光をつかむ。【星夏穂】

◆1、2軍で異なるユニホーム イースタン、ウエスタンの両リーグが出来る前の54、55年に、当時のセ・リーグ球団の2軍が所属する新日本リーグがあり、巨人、阪神、中日、広島、国鉄が1軍と異なるユニホームを着用していた。近年では00~10年横浜2軍の「湘南」、00~08年オリックス2軍の「サーパス」が1軍と別のチーム名で、ユニホームも全く違うものを使用した。西武もネーミングライツの関係で2軍の名称が05、06年「インボイス」、07年「グッドウィル」を使用し、1軍とマークが異なるユニホームだった。

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