球春到来を告げる春季キャンプがスタートする。小久保裕紀新監督(52)率いるソフトバンクは1月31日、空路でキャンプ地宮崎入り。指揮官は近い未来に訪れるかもしれない「世界一決定戦」を話題に持ち出してナインに大号令をかけた。頂上決戦に出場するにふさわしいチーム作りを行うと宣言。4年ぶりのリーグ優勝と日本一奪回、その先の金字塔へ。目指すビジョンを明確にした。

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小久保監督が明確な理念を掲げた。宮崎空港で歓迎セレモニーを受け、午後6時前後に始まった宿舎ミーティング。約15分にわたってナインに目指すべきビジョンを語った。「世界一のチャレンジャーとしてふさわしいチームになっておく。それが大切なんじゃないか」。

まだ実現には至ってないが、NPBチャンピオンとMLBチャンピオンが頂上決戦を行う日が来るかもしれない。指揮官は「世界一決定戦は実際まだないけど、5、7、10年後にはひょっとしたら大谷翔平率いるドジャースと日本のチャンピオンチームが戦う日がくるかもしれない。それは分からない。でもそこに出場するにふさわしいチームになっておくことがまず大事じゃないかなと」。もちろん実現するかは不透明。チームで歩調を合わせるために世界一決定戦の話題を持ちだした。

前身のダイエーホークスが買収され、05年から球団オーナーに孫正義氏(66)を据えてソフトバンクホークスが誕生した。共通スローガンは世界一のチーム。「孫オーナーがそう掲げられている以上、我々はそこに向かう」と小久保監督は呼応した。春季キャンプでは「全体練習は帽子をかぶり、チームプレー練習はユニホームを着用」「アップではマーカーからマーカーまできっちり走ること」と主に2カ条を提言。昨秋のキャンプでも怠慢走塁の防止やホームへの走路など細かいルールを定めた。強さも姿勢も世界一を目指す。

まずは4年ぶりのリーグ優勝、日本一奪回が宿命。今オフは西武からFA宣言した山川を獲得し、柳田、近藤らを含めて打線は12球団トップクラスになった。春季キャンプでも小久保改革は進められる。最終目標である世界一軍団を目指し、小久保ホークスが2月を迎える。【只松憲】

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