ダメだったら辞めるだけ-。中日中田翔内野手(34)が日刊スポーツのインタビューで悲壮な決意を語った。DHもあり選手寿命の延びるパ・リーグ復帰も視野にあったが立浪和義監督(54)の熱意によって中日入団を決意した経緯を明かした。希代のスラッガーは進退をかけてプロ17年目のシーズンに臨む。【聞き手・伊東大介】
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-ここまでのキャンプを振りかえって
中田 技術的にはまだまだ。感覚がいいといえばうそになるが、ケガもなく第2クールに入れた。まずは合格なのかなと思う。
-体ではどこに気をつけているか
中田 今は体のキレも全くない。体が重いのも事実。第1クールが終わって、第2クール入るぐらいが、毎年一番、体がしんどい。疲れが一気にどっと来る。ここで無理する必要もない。第3クールからはトレーニングも増やして、ノックを受けたり、そういうのも小まめに入れていく。別に焦っているということも全くない。
-新天地で迎えるシーズンは違う
中田 多少なりともプレッシャーも、不安もある。チャンスをいただいた以上、僕はやり切るだけ。この世界はダメだったらクビを切られていくだけ。早い話ね。変な緊張感はない。すごく今、割り切れていて、もうやるしかない。やる自信もある。ダメだったら辞めるだけ。僕にとって野球人生もラストスパート。ダメだったら。球団から必要ないよと言われたら、そこまでだから、それを言われるまでは、全力で突っ走るだけ。
-年齢面も?
中田 考えないとダメでしょ。第2の人生の方が長いんだから。家族のことも考えないといけない。そういう意味での不安で、野球に対しての不安ではない。35歳ですよ。あと10年できるかと言ったらできない。投手なら、40、50までやるすごい方がたくさんいる。投手も体力は使うけど、野手は打ったら走らなあかん、打たなあかん、守らなあかん。走塁せなあかん。あと何年、野球できるか分からない。野球人生の終わりに、もう差しかかっているなという不安はもちろんある。
-セ・リーグには指名打者もない
中田 めちゃくちゃでかい。選手からしたら、なんでDHないのって。セ・リーグかパ・リーグで1~2年、野球寿命が違う選手はいると思う。選手としては、あったらめちゃめちゃ助かる。
-移籍先にはパ・リーグへの意識もあったか
中田 もちろんあった。心のどっかでパ・リーグに戻りたい気持ちも正直あった。そんなに強く思ってたわけではないが、そういう気持ちがないというのもうそになる。
-セ・リーグを選び引退の覚悟も
中田 打てなかったらダメというのももちろん、セ・リーグだったら守れなくなっても終わり。走る事に関してはすごく気を使う。元々走れないけどね。
-体のケアも
中田 もちろんそれも大事だけど、なかなか疲労が抜けなくなった。1回ブワッて、体が疲れちゃったら、1週間ぐらいずっと、だるーってなるじゃん。自主トレで何十倍も何百倍もキツイ練習をしてきているのに、(キャンプが始まって)人前に立ってユニホームを着て、そこまでキツ練習をしているわけでもないのに、疲れが来た。本当にだるいって感じ。だる重ー。
-疲れを取るための技は
中田 技はない。休むしかない。交代浴とかお風呂につかる行為がすごく好きなので。毎日、朝も風呂を使ったりするけど、ここまでピークだったら、なかなか疲れを抜けない。風呂につかったからと、リラックスできたってなるわけでもない。その瞬間、ただ気持ちいいってなるだけ。現に疲れ取れてないもん。
-シーズン中だったら家族もいる
中田 息抜きになったり、ストレス発散になったりするんだろうけど。今はもう、野球のことだけを考えて、この場に来てる。だからいいんじゃないか。第1、2クール終わるくらいまでは。疲れさしに来てるんだから。ケア、リフレッシュも含めて、いろんなことに挑戦しながら、気持ちよくやれればいいのかな。
-監督と食事会は
中田 行った、行った。カニやら海鮮も、お肉も出てきた。豪華な食事をごちそうしてくれた。『勝とうな、頼むぞ』と。僕以外にもナカジ(中島)さんもいて、他のメンバーも。僕は立浪さんの1本の電話で本当に(移籍を)決意した。最後の最後まで悩んだ。巨人も好きなチーム。素晴らしい人たちばかりだった。最後の最後まで悩んだ。最終的に決め手は、立浪さんの電話だったり、球団本部長の言葉だったり、嫁が最後に背中を押してくれたのも大きい。この歳になってね、新しいチームに行くのはまあまあ勇気がいる。人付き合いも1からだし。
-監督の電話は大きかった
中田 純粋にありがたかった。素直に本当にありがたい話だなと思った。その時期はまだ、はっきり言って、パ・リーグと悩んでいた。どうしようかなと。そういう言葉、僕なんかに筋を通してくれたのもありがたかった。
-初の単身赴任の可能性もあった
中田 いろいろ考えて、子どもの学校のこととか、転校もかわいそうと。単身でいっても、すぐに子どもに会いたくなると思う。1年も持たない。ついていくと言ってくれたし。1人暮らしを経験したこともないし、どれだけ大変かも。
-生涯名古屋と入団会見でも
中田 こんな年から他のチームなんてもありえないと思う。僕はドラゴンズのために全力を尽くしたい。そういう気持ちが今強い。
-外から見た中日の印象
中田 投手との兼ね合いだと思う。(野手と投手が)どうマッチするか。こんなにいい投手がそろってて、抑えもマルティネスがいる。なんで最下位なのかわかんない。俺は中日の投手陣は特にいいイメージしかない。強い球を投げる子が多いなっていう印象が強い。打者も、例えば5年後、この子どうなってんだろうなっていう選手がすごく多い。現状は俺より上(の年齢)だったら大島さん、ナカジさんだけか。苦しい経験もしてる選手も多分少ないだろうし、めちゃくちゃうれしい経験をした選手も少ないだろうし。そういうのは結構大きく関係してるのかな。力を持ってる選手はたくさんいる。
-可能性がある人とは
中田 鵜飼くん。あれだけ飛ばす。めちゃくちゃ面白い打者が多い。
-立浪監督を胴上げしたい
中田 監督を男にしたいのは他の選手も思っている。2年連続最下位。選手ももちろん悔しいだろうけど、監督が1番悔しいと思う。みんなで頑張って男にしたい気持ちは強い。
◆中田翔(なかた・しょう)1989年(平元)4月22日、広島市生まれ。大阪桐蔭では1、2年夏、3年春に甲子園出場。07年高校生ドラフト1巡目で、4球団競合の末に日本ハム入団。21年8月に、無償トレードで巨人へ移籍。昨年8月6日広島戦で、平成生まれ初の通算300本塁打に到達した。同年オフに、巨人との3年契約を2年残して解除するオプトアウト権を行使し中日移籍。打点王3度、ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞5度。184センチ、107キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸3億円。



