新生サトテル弾! 阪神佐藤輝明内野手(24)が紅白戦で完璧な先頭打者アーチを描いた。右翼席の通称「アレネット」をあっという間に越える「今季1号」の120メートル弾。進化を続ける大砲が、早くも完全覚醒の予感を漂わせた。

まさに打った瞬間だ。フルカウントから秋山が投じた7球目。見逃せばボールかという内角高めの直球系を、体全体を使って、しばき上げた。手に残る感触、打球の行方を見ながら、ゆっくりと一塁に歩き出した。

「高めをしっかりと強くとらえることができました。フォームが良かったんじゃないですか」

オフに米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」を訪れ、打撃フォームを徹底解析。本塁打になりやすい打球角度を求め、フォーム改良を決意した。手で打ちにいく意識を極力減らし「体を使った」スイングを全身に染み込ませている。「練習でしていることが実戦でも出ている。打撃の方向性が間違っていないのかなと思っています」と背番号8は繰り返した。

この日の試合前のフリー打撃。1万人で埋まったファンの期待に反してサク越えはゼロ。「飛距離はあまり気にせずに、しっかり自分のフォームを確かめながら打っていました」。1時間後の打席で、ノーアーチだった意味をきっちり示した。紅白戦2試合で4打数4安打。「まだ全然、打席でフォームを意識しています」と言うが、フォームが固まってきたことで投手の生きたボールも落ち着いて見えているという。

先日は「本塁打は30本、40本打ちたい」と高い目標を掲げていたが、打撃フォーム改良は爆発力だけでなく、今年のテーマでもある安定感にもつながっている。4年目の脱皮へ、着実に歩を進めている。【柏原誠】

【阪神紅白戦】佐藤輝が先頭打者弾!/詳細