U18日本代表としてもプレーした沖縄尚学(沖縄)の最速147キロ右腕、東恩納蒼投手(3年)の目には、4年後のドラフト1位しか見えていない。14日、スポーツ推薦で合格した東都大学野球リーグの中大(東京都八王子市)の練習に初参加。「1人1人、やるべきことをやっている。とてもやりやすい環境です。4年後、ドラフト1位としてプロに行くという高い意識をもって。ここで4年間、やりきる決意できています」と真っすぐと見つめた。

昨年は春、夏の甲子園に出場。春は3回戦、夏は8強入りに貢献。U18のW杯、プエルトリコ戦では5回参考ながら完全試合を達成。大会後にプロ志望届を提出したが、ドラフトでの指名はなかった。その後、中大を受験。中大の清水達也監督(59)からは「しっかりやって、4年後行ければいい」と声をかけてもらい、心は決まった。「1年から試合に出場して、チームが勝つことを最優先に日本一を目指す。中大には、恩返しをしたいです」。指名漏れの失意から、再びチャンスを与えてくれた中大のために、腕を振る。

東恩納と言えば、昨夏の沖縄大会から甲子園3回戦まで47回1/3を無失点に抑え「ミスターゼロ」と称された。「僕はどんな場面でも動じないのが強み。真っすぐもそうですが、スライダーが生命線」と胸を張った。

初日にして、先輩たちの体の大きさに圧倒されながら「まずは体作りから」と、足元を見つめた。「気持ちをしっかり切り替えて、エースを取りに行く気持ちでやっていきたい」と、力を込めた。悔しさを糧に、4年後のドラフトでスポットライトを浴びるために。東恩納の挑戦が始まった。