DeNAに新兵器「度会ボイス」が加わった。ドラフト1位の度会隆輝外野手(21=ENEOS)の声が響き渡る。「おりゃー!」「いけー!」。16日、新人2人と初の居残り特打で打撃投手を務めた三浦大輔監督(50)と“初対決”。6分間休みなしの40スイングで元気に2本塁打。三浦監督に「隆輝へばってたな」と言われても「余裕ッス!」と明るく返した。

練習でも試合でも、周りを明るくする度会ボイス。監督、コーチ、同僚の言葉から声がもたらす効果に「潜入」した。指揮官は「必ずしも声を出す人がいいわけではない」とそれぞれの性格や役割を尊重しつつ「ファンの声援と一緒で味方の助けになるし、新人が入るとワードのレパートリーも増える」と説明した。

ヤクルト時代、度会の父博文さんとプレーした田中浩康内野守備兼三塁ベースコーチ(41)は「いいスイートボイスだけど、ワードセンスはもうちょっと。おやじの方がひとひねりあってクスッとさせられた」とユーモアの伸びしろに期待を込めた。ベンチでの声出しに定評のある牧は、まだキャンプの実戦でベンチ入りがなく「度会の声、すごいらしいですね。楽しみです」と共闘を心待ちに。度会は「レパートリーを増やせるように頑張ります」と声での貢献にも前のめりで取り組む。

特技のカラオケで鍛えた甲高い声は球場の外まで響き渡る。味方の攻撃中にはベンチから「グッドメーク!」「つながってるね~!」「さあいこうで~!」と全力援護。「自分は温かい声やチームを鼓舞している声を出してもらった方がやりやすいし、励みになる」と絶やさない。小学生時代から打てても打てなくても、声だけは出し続けた。

17日の中日との練習試合(北谷)では初のベンチスタート予定。「疲れた姿は見せられない。元気出して頑張りたい」と日々ハッスルする。持ち前の打撃とともに明るい声も新戦力だ。【小早川宗一郎】

【関連記事】DeNAニュース一覧