米大リーグのジャイアンツからFAになっている筒香嘉智外野手(32)が国内復帰を決断したことが6日、分かった。

19年オフにDeNAからポスティング・システムを利用してレイズに移籍。21年シーズン途中からドジャース、パイレーツなどメジャー、マイナー、独立リーグを含む11球団を渡り歩いた。渡米5年目の今季はジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてメジャーキャンプに参加したが、3月13日にマイナー降格。同21日に退団となっていた。

   ◇   ◇   ◇

筒香が夢の続きへと進む決断を下した。21日にジ軍を退団してからも米アリゾナ州スコッツデールに滞在し、トレーニングを続けながら熟考を重ねてきた。退団直後は「何1つ後悔はない。常にベストな選択をしてきた。それは今回も同じだと思います」と話していた。

メジャー挑戦時から代理人を務めるワッサーマン・メディアグループのジョエル・ウルフ氏への信頼は厚い。米国内の球団の動向を注視しつつ、国内復帰を含めてウルフ氏からのサポート、アドバイスも受け、最終的には筒香本人が決断した。

3月21日にFAとなってからは巨人、古巣DeNAなど国内複数球団が調査に乗り出し、水面下での代理人交渉に入った。巨人からは複数年契約を提示されているとみられる。開幕3日前に右翼のレギュラー候補だった新外国人オドーアが電撃退団。助っ人野手不在での開幕を余儀なくされた。当初の構想プランが崩れ、開幕から外野手を固定できずに戦っている巨人の補強ポイントに合致する。

筒香獲得のメリットは計り知れない。19年まで10年間、DeNAでプレーし、205本塁打、613打点をマーク。シーズン途中の合流も、日本球界に熟知しており、順応には時間を要さない。さらにセ・リーグとなれば、それ以上に相当する。

メジャー挑戦に送り出してくれたDeNAへの愛着と恩義はある。一方でここ4年間はメジャー、マイナー、独立リーグを渡り歩き、タフな環境で厳しい現実も直視してきた。シビアな判断が必要だと身をもって理解してきた。プロ野球選手としていいプレーを見せることが最大の恩返し、感謝につながる。

筒香は近日中にも帰国する予定で、帰国後に交渉は最終局面に入る。あの大砲が5年ぶりに日本球界に舞い戻る。

◆筒香嘉智(つつごう・よしとも)1991年(平3)11月26日、和歌山県橋本市生まれ。横浜高では1年から4番を任され、通算69本塁打。09年ドラフト1位で横浜入団。14年から6年連続20本塁打以上で、16年に本塁打王、打点王の2冠。ベストナイン3度(15~17年)。19年オフにポスティングでレイズ移籍。ドジャース、パイレーツなどを経て今季はジャイアンツのマイナーで開幕。15年プレミア12、17年WBC日本代表。185センチ、102キロ。右投げ左打ち。