決勝は春夏全国制覇を目指す中本牧と、大会連覇を狙う世田谷西の関東連盟勢同士の対戦になった。中本牧は同じ関東連盟南関東支部の瀬谷に対し、初回に4点を挙げるなど、10-1でコールド勝ちした。世田谷西は、札幌新琴似の好投手渡部に苦しみながらも終盤に打線が爆発し、8-1でこちらものコールド勝ち。ともにここまで4試合すべてコールド勝ちを収めて全国でも抜きんでた力を発揮しており、互いに負けられない一戦となる。神宮球場で5日午前9時開始予定。CSテレ朝チャンネル2で生中継。
▽準決勝
中本牧10-1瀬谷
世田谷西8-1札幌新琴似
【中本牧打線猛攻 山元ランニング弾&河内悪球打ち弾】
「打順の妙」で、中本牧が春夏全国制覇に王手をかけた。1回、1番河内からの3連打で先制後、準々決勝で当たりが出た小林が5番に上がったため、この日は6番に下がった山元が2死二、三塁で右中間を破った。「三塁打だと思ってはしていたら、コーチャーが手を回すので走りました」というランニング本塁打で3点を追加した。
1回戦から、初回の速攻がさえる。初回の得点は1回戦5点、2回戦3点、準々決勝2点、この日4点。早めに仕掛けで流れをつかんで、4試合連続のコールド勝ちに結び付いている。
この試合でコールド勝ちをほぼ決めたのが5回の攻撃。2点を追加して2死一、二塁で、先制のホームを踏んだ1番河内。「低めは手を出さない。カーブをねらっていた」という意識で、見送れば完全なボール球の高めをとらえた。「ファウルが心配だったけど入ってびっくり」と左翼ポール際に放り込む3ランでこの回5点を奪った。元々6番を打つことが多く、長打力もある。「この大会から1番になりました。チャンスメークすることを頭に入れて打席に入っています」というのが、連日の勝利に貢献している。
春夏全国連覇に王手をかけた村上林吉監督は「打順がね。河内は走力があるんで今回から1番したら、チームとしてもペースがつかめた。今日は小林を5番に上げたので6番にした山元が大当たり(3安打)しちゃった」と、ニコニコした。
いよいよ決勝を迎える。河内は「相手もここまで来たから強いと思うのでチャンスメークします」といい、山元は「チームに貢献できる打撃をします」と意欲を見せていた。
【瀬谷・星監督は涙の八木主将をたたえる】
瀬谷にとっては、初回の失点が大きく響いた。1回に2死二、三塁と攻めたが無得点。その裏、先頭から3連打で先制された後、2死二、三塁で右中間にランニング本塁打を打たれて計4失点で相手の流れになった。
3回に先頭の2番鈴木が右翼越えの三塁打を放ち、続く3番地曳が中前に適時打を放って反撃を開始した。しかし、その裏、2死を取った後に3長短打で2点を失い、さらに3ラン本塁打を浴びて計5失点を喫した。「最後まであきらめない」がキャッチフレーズだったが、王者中本牧の前にコールド負け。19年ぶりの日本選手権挑戦はベスト4で終わった。
星雄一郎監督は「昨秋、今春と勝てなかったチームがここまで来た。八木(遥風=はるかぜ)主将のキャプテンシーのおかげ。彼がいなかったらこんなチームにならなかった」と話した。試合終了後は泣き崩れた八木主将は、3位表彰を受けた後「ここまでよくやったと思います。勝てない時期がありましたけど、チームが1つになってあきらめずにやってきた。みんなにありがとうと言いたいです」と声を絞り出した。
【コールドも苦しんだ世田谷西】
世田谷西が、苦しみながらも大会2連覇に向けて決勝にコマを進めた。1回表、先発大矢が立ち上がりを札幌新琴似に攻められ、連続長短打から先制点を奪われた。死球を与えてなお2死一、二塁だったが、なんとか三振で切り抜けた。
その裏、四球で出た1番島田を置いて、3番東が左翼席に運ぶ2ラン本塁打。すぐに逆転した。3回には相手失策から1点を追加。大矢は徐々に調子を上げて、投球数制限で降板するまで5回3分の2を1失点に抑えた。
135キロの速球を武器にする相手の好投手渡部を打ちあぐんでいた打線が爆発したのが3巡目となった6回。1死一塁から5番中村の適時二塁打が呼び水となり、敵失を挟んで、7番入江、8番大矢に代わった渡辺、そして9番延末の3連続二塁打が飛び出してこの回5点を入れて、4試合連続コールド勝ちとなった。
吉田昌弘監督は「東の1発が大きかった。なにより、初回を1点で抑えて、大矢が粘り強く投げ、よく守った」と、勝因を挙げた。大会連覇に王手をかけたが、全国選抜大会では準々決勝で敗れた相手の中本牧に「春は手も足も出なかったのが、やっと手ぐらい出せるようになったでしょうか」と話した。
ホームランボールを手にした東は「中村や佐宗の神宮の本塁打を見ているので、打った瞬間に角度とかは大丈夫と思った。ファウルが心配だった」と振り返った。決勝に向けて「3番としてはチャンスが来たら絶対に打ちたい」といい、投球数制限のガイドラインにより40球投げられる大矢は「ピンチで抑えたい」と、2人は攻守での貢献に意欲を見せていた。
【札幌新琴似・渡部が5回まで3失点好投】
2年ぶりに準決勝進出の札幌新琴似は5回まで2点差と好勝負を繰り広げたが、6回に突き放された。先発左腕の渡部が5回まで3失点。生嶋宏治監督は「渡部は今年のリトルシニアで1、2を争う左腕だと思います。事実上、ここが最後のつもりで必死に戦いにいった」と本音を明かした。酷暑の東京で4連戦目で、選手のスイングやプレーが回を追うごとに重くなっていったと指摘し「この暑さだけは鍛えようがないです。真冬の札幌なら半袖でもやるんですが」と苦笑しながら、奮闘した選手たちをみつめていた。



