野球のグラブの手入れをしたくてもやり方がわからない。大事に磨いているのに、やればやるほど黒ずんでいく…。悩み多き野球少年にアドバイスを送ります。グラブを長持ちさせるために、今回は革靴用クリームの老舗を訪ねました。グラブも靴も革製品ケアの基本は同じなんです。【久我悟】
【カッサカサな革がよみがえった】
グラブケアの指導は、1928年(昭3)創業の靴クリームメーカー「ライカ」勤務の福原兄弟。兄大稀さん(34)は都城東高で、弟寛紀(もとき)さん(30)は千葉・東海大浦安高、国際武道大で硬式球を握った。現在は3代目社長の父則行さん(60)を支える。
昭和、平成、令和と人々の足元をピカピカにしてきた同社の靴クリームだが、革靴需要の低下で売り上げが伸び悩んでいた。そこで、大稀さんが高校時代に父の勧めで靴用のレザーオイルを使ったことをヒントに、グラブケア用品を開発。3年半前にオリジナルブランド「フォーチュンフィールド」の販売を開始した。
【独自ブランドがヒット商品に】
商品化したのは汚れ落としの「クリーナー」、保湿用「クリーム」、捕球面用「オイル」、背面用「ワックス」。野球メーカーが性能を1つにまとめたオールインワンタイプに力を入れる中、あえて性能を分類した。「靴ケアでも、目的によってオイルを変える流れがきていたんです」(寛紀さん)。便利だが、効果が中途半端になりがちなオールインワンタイプに比べ、汚れ落ちやつや出しなど、効果がわかりやすく現れた。
4品は個別販売以外に、ブラシとともにしゃれた小箱にまとめ、1セット3850円(税込み)の低価格で販売した。寛紀さんの高校時代の先輩や、大学同期のユーチューバー守備猿ジュンさん(トクサンTV)の協力もあり、取引先を増やしていった。小中学生には使用方法を正しく広める必要があったが「最近の子どもたちはユーチューブなどで確認してくれるんです」(大稀さん)という現象もあり、ヒット商品となった。
【間違った手入れは、やるほどに黒くなる】
寛紀さんは学生時代、野球メーカーのケア用品にこだわった。汚れ落としもそこそこに、同じオイルを捕球面と背面にたっぷり塗ると、泥や汚れをふくんだ、オイルの層が重なっていった。「どんどん黒くなって、それがかっこいいと思っていましたけど、大きな間違いでした(苦笑)」。今回、同様の間違いで捕球面が黒くなったグラブを準備。寛紀さんが早速、ブラシとともに手に取った。
【基本は「ブラッシング」「汚れ落とし」「保湿」】
中学硬式野球荒川ボーイズ(東京)の協力で、使用歴2年で全体がかさつき、捕球面が真っ黒のグラブを用意。元の色は流行のトレンチ(クリーム色)だった。これと、ほどよく手入れができている使用歴1年のブラウンのグラブを用意した。
(1)【ブラッシング】セットとは別売りの馬毛ブラシで、全体を軽めにこする。好みだが、適度な毛の硬さで、砂やほこりを落としやすい。指の間や手の中も注意。
(2)【汚れ落とし】クリーナーをタオルなど布につけて汚れに直接つける。汚れや前回塗ったオイルを浮かび上がらせ、布で拭き取るイメージ。今回は汚れが強いため、小型のブラシを使用(歯ブラシで代用可能)。円を描くように汚れを浮かせる。根気のいる作業だが、1度落として、小まめに手入れすれば、短時間で済むようになる。今回使うどの製品も、靴にも使えなくはないが、汚れ落としに特化したクリーナーは、グラブだけにして欲しいとのこと。
(3)【保湿】クリームをごく少量、スポンジや指先で伸ばしていく。革の表面、ひも、へり、手の中も。今回、トレンチは汚れの激しさより、保湿が足りず「強くこすると、傷が広がる状態」なのが問題だった。
好みに合わせ、自分の方法を見つけよう
今回は同社製品を使ったが、好みのブランドや、使い方次第で、オールインワンも悪くない。基本は(1)
(2)(3)。参考にして自分に合った方法を見つけよう。



