兵庫県西宮市の鳴尾浜にある阪神の合宿所「虎風荘」が1月31日、最終日を迎えた。寮生がキャンプ地の沖縄へ出発し、30年2カ月の歴史に幕を下ろした。

1人残った藤本修二寮長(60)がせわしなく残務処理にあたった。同日中に完全退去する。隣接するグラウンドやトレーニング場、室内練習場もすべて閉鎖。具志川キャンプ組が戻ってくる2月25日の夜からは、尼崎市の新ファーム施設「ゼロカーボンベースボールパーク」内にできた新・虎風荘が稼働する。

個人の物品など、新施設に持ち込むものは段ボール箱などに詰め、持ち込み先を指定するシールが貼られていた。近日中に引っ越し作業が行われる。百崎蒼生内野手(19)は「1年しかいなかったのに段ボール15箱くらいになっちゃいました」と苦笑いした。

最後に寮を出たのは森木大智投手(21)だった。高卒で高知から出てきて3年間を過ごした。「思い出は数えきれないほどあります。2階のスペースで本を読んだりするのが好きでした」と、少し寂しそうに4階建ての建物を見上げた。

昨年から入居する津田淳哉投手(23)ら数人は風呂でのコミュニケーションが印象的だったと挙げた。たまにあるムカデなど虫との遭遇も「すべてがいい思い出です」と笑った。

鳴尾浜の虎風荘は2代目。オープンのわずか1カ月半後に阪神・淡路大震災が発生し、建物やグラウンドが被害を受けた。初代は甲子園球場のすぐ東側にあり、62年から94年11月まで利用された。名称は61年に野田誠三オーナーが命名。3代目にも引き継がれる。

なお、2月8日、9日には「ありがとう鳴尾浜」イベントが開催される。施設内の見学や、球団OBのトークショーなどが予定されている。

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