首位阪神が優勝マジックを6から4に減らした。佐藤輝明内野手(26)が初回、中日涌井の低めの変化球に崩されながらも、右翼へ弾丸ライナーで運ぶ先制決勝の36号2ラン。再び貯金を30としたチームは、12球団最速でクライマックスシリーズ(CS)進出を決定させた。
5日の広島戦から甲子園で6試合を戦い、最短優勝は6日。03年、05年、23年は本拠地Vで、4回連続甲子園で歓喜を迎える瞬間が迫ってきた。
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バンテリンドームの広さを、佐藤輝はまったく感じさせなかった。カウント2-2から低めに沈んだ142キロカットボールに片手1本で対応した。体勢を崩されながら、拾い上げるようなスイング。それでも低弾道で飛んだライナーは、勢いよくグングン伸びる。右翼ポール際の客席に突き刺さり、スタンドから大きなどよめきが起こった。「入ってくれてよかったです」。佐藤輝にしか飛ばせない、規格外の驚弾だ。
0-0の初回2死一塁。166勝右腕の先発涌井をとらえた。2試合ぶりの先制決勝の36号2ラン。「ネルソンが先発というところで、初回から先制できたのはよかったです」。来日初先発助っ人右腕を強力援護した。8月に17打席連続無安打と苦しんだ時期もあったが7試合連続安打でうち4試合で本塁打。4回無死一塁の場面はバットを真っ二つに折られながらも左前に運んで好機を広げ、3点目を呼び込んだ。完全に状態は上向きだ。2冠を走る36本塁打、88打点も両リーグで他の追随を許さない。
本塁打が出にくいバンテリンドームで今季7本目の本塁打。0発だった昨季から一転、05年金本知憲の年間6本を抜き、球団最多記録となった。球場別では今季8発の本拠地甲子園に次ぐ量産だ。シーズン通算では41発ペース。優勝が目前に迫っても猛威は衰えず、頼もしく引っ張っている。
規格外の1発を生み出すパワーは近大時代も武器だった。高精度の体成分分析装置「InBody(インボディ)」で、筋肉量やバランスなどからスコアを計測。100点満点の算出で、その点数は100点だった。MAX評価の肉体に、磨いた技術が身につけたプロ5年目。堂々のシーズンを送っている。
2位巨人が敗れ、その差は16ゲームに拡大。貯金を再び30に増やしたチームは、12球団最速でCS進出を確定させ、優勝マジックは6から4に減らした。きょう5日から甲子園で6試合戦い、あす6日にも2年ぶりのリーグ優勝が決まる。03年、05年、23年の直近Vは全て本拠地で決めており、4回連続のムードが高まる。「一戦一戦、変わらずに頑張ります」。主砲がまとめる一丸チームが、超満員の虎党に今季の集大成を届ける。【波部俊之介】
◆阪神のマジック 巨人とDeNAの両チームに対してM4の状態。阪神が5日にM2となり優勝に王手をかける条件は、阪神が広島戦に○、巨人が中日戦に●、DeNAがヤクルト戦に△か●。
▼佐藤輝が先制の36号。バンテリンドームでは今季7本目。同球場のシーズン最多本塁打は06年ウッズ(中日)の20本だが、ビジター選手で7本以上は00年松井(巨人)8本、02年ラミレス(ヤクルト)7本、22年村上(ヤクルト)7本に次いで4人目。阪神では05年金本の6本を抜いて最多となった。今季の佐藤輝は敵地での1発が多く、ビジターで25本目。52年のフランチャイズ制以降、ビジターで25本以上打った阪神選手は85年バース28本、79年掛布27本に次いで3人目。



