猛虎の無敵リリーバーは石井だけじゃない! 阪神及川雅貴投手(24)が敵地広島戦で貫禄十分の“火消し”を披露し、セ・リーグ2位タイの15試合連続ホールドを記録した。2点リードの6回2死満塁で代打秋山を見逃し三振に仕留めた。現役時代の藤川監督が05年に記録した同1位17試合連続ホールドまで残り2試合。抜群の安定感でチームを3連勝に導き、指揮官の背中はもう間近だ。

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圧巻の火消しだった。独特なフォームから投じられた及川の直球は、糸を引くように坂本のミットに吸い込まれた。球審の手が上がり、百戦錬磨の代打秋山が全く反応できずに見逃し三振。絶体絶命の場面をあっさり封じ、ひょうひょうとベンチへ歩を進めた。

「開き直るしかないと思うので。バッターの反応を見ながら、ゾーンに投げる時と落としきる時と。しっかり投げ分けができた」

2点リードの6回2死満塁。2番手湯浅が招いたピンチを任された。両リーグトップの今季63試合登板。1ボール2ストライクから、149キロ真っすぐを外角ストライクゾーンに突き刺した。念じるようにベンチで見つめた湯浅を救い、先発大竹の今季9勝目も死守。仲間を救った4球だ。

これで15試合連続ホールド。「緊迫したところで投げさせてもらっている証しだと思う」と感謝を口にした。11年の中日浅尾拓也らに並んでセ・リーグ歴代2位タイ。藤川監督が現役時代の05年に記録した同1位17試合にもあと2試合まで迫った。ホールドポイントも今季49個目となり、リーグ1位巨人大勢にも1差と肉薄。自身初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手賞の獲得も見えてきた。

及川の投球フォームは誰に教わったわけでもない。二段モーション禁止の高校時代を経て、プロ入り後から自ら作りあげてきた。膝の使い方や重心の位置など、細かいポイントがたくさんある繊細な動作。だからこそつまずいても周囲に助言を求めるのではなく、まずは自分で考え抜くことを大切にしている。

「やっぱり人それぞれの感覚が絶対にあると思うので。そういった意味でも他の人のマネもしないし、まずは自分で考えるという思考になる。そこはこだわりかもしれない」

着実に磨いてきた投球術で、最強ブルペンの一角を担う高卒6年目。藤川監督も「大変な場面だったと思います。変わらずやることですね」とこの日の投球を評価した。連続無失点試合のNPB記録を塗り替えた石井だけではない。若き左腕も、抜群の安定感で堂々のシーズンを駆け抜ける。【波部俊之介】

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