V2への役者がそろった。「右脛骨(けいこつ)骨挫傷」から再起したソフトバンク柳田悠岐外野手(36)が、「2番DH」で約5カ月ぶりに1軍復帰した。3打数無安打も第3打席ではしっかり四球出塁。この日を待ち望んでいたファンの大歓声が帰ってきた背番号9を包んだ。試合は0-1完封負けでオリックスにまさかの3連敗を喫したが、2位の日本ハムも敗れ、優勝マジックは1つ減って6。最短26日の敵地胴上げへ、百戦錬磨の優勝請負人がチームを引っ張る。
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ついにギータが帰ってきた。初回1死。「柳田悠岐」のアナウンスに、満員の4万人を集めたみずほペイペイドームが沸き返った。約5カ月ぶりの1軍舞台。タカ党もこの瞬間を待ち望んでいた。3打数無安打で2三振と快音は響かせられなかったが、5回の第3打席ではしっかり見極めて四球出塁。その存在感は、特別際だっていた。久々の大歓声を浴びた背番号9も「やっぱりプロ野球っていう感じですね」と感慨深げ。小久保監督も「柳田も戻ってきて雰囲気は変わって、全然違うと思う」とあらためて絶大な信頼を寄せた。
柳田の気持ちも高ぶっていた。試合前のフリー打撃で快音を連発。バックスクリーンにも放り込むなど、代名詞のフルスイングで体調万全をアピールした。4月中旬以来の1軍に「転校生の気分」とギータ節も全開。プロ15年目。主軸として何度もリーグ優勝、日本一に貢献してきた“アニキ”の帰還は、チームに勇気をもたらす。試合は0-0の8回、オリックス杉本にソロを浴びて本拠地3連敗。この日も2度の満塁機を生かせず、今季11度目の完封負けを喫したが、頼れる男の復帰は有形無形の明るい材料だ。
道のりは長かった。4月11日のロッテ戦(ZOZOマリン)で右すね付近に自打球が直撃。「右脛骨(けいこつ)骨挫傷」の診断を受け、同12日に出場選手登録を抹消された。「ケガのキャリアハイでした」と自虐するほど、約2週間は私生活にも支障が出る激痛に苦しんだ。当初は5月上旬頃の復帰見込みだったが、大幅に遅れた。それでも「修行と思って」と弱音を吐かず、前を向き続けた。8月29日の2軍広島戦(タマスタ筑後)で実戦復帰。酷暑の中で16試合2軍戦に出場し、シーズン最終盤に間に合わせてきた。
2位の日本ハムも敗れ、2・5ゲーム差をキープしたまま優勝マジックは1つ減って6となった。最短優勝は26日。ホークスの顔、百戦錬磨のV請負人が、ゴールテープに導く。【佐藤究】



