鋭いスライダーでピンチを切り抜けると、阪神及川雅貴投手(24)はホッと胸をなで下ろした。「粘れて良かったです。それに尽きます」。この日も0を並べ、これでセ・リーグ単独2位の16試合連続ホールド。藤川監督が持つNPB記録まであと1試合に迫った。
2-2の7回にマウンドへ。先頭のヤクルト中村悠に中前打を浴びると、犠打の後に代打増田に右前打を浴び、1死一、三塁のピンチ。「常に冷静に。アウトを取ることだけを考えてやっていました」。今季64試合に登板した経験値がものを言う。続く太田をカットボールで空振り三振に仕留めると、最後は長岡をスライダーで二ゴロ。危なげない仕事ぶりを見せた。
大台の50に乗せたホールドポイントは、これで20試合連続。05年に現役時代の藤川監督が記録した球団記録に並んだ。指揮官に続く記録で指導の恩返しだ。
昨秋キャンプのブルペンでは、藤川監督から身ぶり手ぶりの指導を何度も受けた。「『横の動きが強い』というのは以前から言われてはいた。それを直接指導していただいた」。腰に手を当てられながら、縦の動きにつながる軸足の動きを意識付け。ボールを高く投げたり、緩く投げたりと、さまざまな練習法でサポートしてくれた。
実は、高卒2年目の21年春季キャンプでも当時スペシャルアシスタントだった指揮官から助言をもらっていた。「キャッチボール中にちょっと言われたこともあった。それでその年に1軍で投げられたのもあったと思います」。リリーフの大先輩の教えを1つ1つずつ吸収した。
新たな記録が目前も「1個1個アウトを積み重ねていければいいかなと思います」と気持ちは変わらない。大きな背中を追い続ける。【磯綾乃】



