巨人山瀬慎之助捕手(24)が、17日に行われた契約更改を保留とした理由を説明した。19日に川崎市・ジャイアンツ球場で報道陣に対応。「話し合いの中で『わかりました、来年頑張ります』とはなれなかった」と述べた。
正捕手争いの現状、野球人生の今後を考え、覚悟を決めて交渉に臨んだ。「支配下の捕手で僕が一番若いんですけど、若い時間というか、僕の中では今がめちゃくちゃ大事で。今すぐに試合に出たいし、ジャイアンツより他のチャンスがあるんだったらっていう気持ちも、1年間やっていく中であった。そこの気持ちは伝えました」と球団側と掛け合った。
星稜から19年ドラフト5位で巨人に入団。1年目から2軍で実戦経験を積み重ね、3年目には1軍出場も果たした。今季は2年ぶりにイースタン・リーグ優勝を果たした2軍の正捕手として自己最多100試合でマスクを被った。強肩の守備だけでなく、2軍で自身初の打率3割超えとなる3割0分2厘を記録。昨年の96試合で打率2割1分9厘から大きく向上し、「打てる捕手」の印象を強くした。
ただ、1軍出場は1試合に終わった。10月1日中日戦(東京ドーム)でスタメンマスク。1回2死二、三塁からプロ初打点となる2点適時打を放った。結果を残してきた自負があったからこそ、出場機会が限られる現実を如実に感じた。
チームには今季、ソフトバンクから甲斐拓也が加入した。岸田行倫、大城卓三、小林誠司と日の丸を背負った経験を持つ先輩捕手がそろう。「カード終わりに毎回(1軍昇格通知の)電話を待って。『今回もダメか、今回もダメか』というのを1年間続けた。すごくつらい1年だった。結果が出ないのもつらいですけど、今年分かったのは、結果を出してチャンスをもらえないのが一番つらいなというのはすごく思って」。だからこそ、決断した。
保留にすれば、球団と“溝”が入ることは承知している。「何かアクションを起こさないと、もし来年、再来年も同じ結果になった時に後悔する。若い時間がすごく無駄になっちゃうなと思ったので、今回こういう行動をさせてもらいました」。24歳は人生を好転させるために、サインはせずに交渉の席を立った。
いま頭には他球団への移籍の選択肢もある。「他の球団にトレードだったりであったり、現役ドラフトだったりっていう、今はそういった選択肢がある」。球団にも、可能性を考えてもらうようにお願いした。
もちろん、球団への感謝は尽きない。「すごく期待値を持って評価してもらっているという言葉はあった」と自覚もある。金額の増減で保留にしたわけではない。ただ、求める未来はいまのままでは現実にできない危機感が強い。「今すぐに試合に出たいという思いと、その自信が今はある」。
次回、2度目の契約更改の場で、再び思いを伝える。【阿部健吾】
◆山瀬慎之助(やませ・しんのすけ)2001年(平13)5月4日、石川県生まれ。星稜では1年秋から正捕手。奥川恭伸(現ヤクルト)とバッテリーを組み、2年春から4季連続甲子園出場。3年夏は準Vに貢献し、U18日本代表入り。19年ドラフト5位で巨人入団。22年4月7日広島戦でプロ初出場。同年6月9日西武戦でプロ初のスタメンマスクをかぶった。名前の由来は阿部慎之助で、「小さい頃は阿部さんの筆箱を使ってました。高校の時も阿部さんのタオルを使ってて、甲子園にも持っていきました」。177センチ、89キロ。右投げ右打ち。



