新たな巨人をつくるため、大胆采配も覚悟だ。阿部慎之助監督(46)は1月31日、宮崎神宮を参拝し、宿舎で全体ミーティングを行った。今日始まる春季キャンプを前に「スタメン白紙」を強調。就任3季目へ、思い切った起用も視野に入れた。2季ぶりのセ・リーグ制覇、14年ぶりの日本一へ、決意の春がいよいよ始まる。

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指揮官の表情は一瞬たりとも緩むことはなかった。宮崎神宮での祈願を終え、大鳥居のたもとで報道陣に向き合った阿部監督。眼光鋭く、言葉に力がこもる。

「とにかくもうやるしかありません。新たなジャイアンツをつくっていくという、自分の中でしっかり目標も掲げてます。それを、なんとか貫いて頑張りたいなと思います」

険しい未来を予見しながら、ただ決心を貫徹する気概を込めた。

長く4番を担った岡本がメジャー移籍、長野も昨季限りで引退した。12年の日本一を知るのは37歳の坂本勇のみ。神宮の参道を歩いた1軍メンバー42人中14人が新加入となる。「1シーズン戦える体力と基礎の徹底」をテーマに掲げるキャンプで「選手1人1人をしっかり観察したい」「(レギュラーは)白紙です。みんなにもチャンスはあるし、そういう形でスタートを切りたい」と見据える。

現役時代からの突出した分析力で個々の強みを見いだし、「新しさ」を追求していく。頭には、あるアイデアがある。「4番リチャード」。去年トレードで獲得し根気強く起用を続けたロマン砲は、打率こそ2割1分1厘も、11本塁打を放った。強みを引き出した象徴的な選手で、さらなる飛躍が期待される。

昨季、岡本が5月に負傷離脱後、シーズン終了までに7人が4番を担った。今季は2年目のキャベッジ、新加入のメジャー通算47本塁打ダルベックが候補に思われたが、指揮官の「新しさ」に確定はない。

リチャード自身は「クリーンアップはチームの軸。かと言って僕にはチームを引っ張る実力とかないので。まずはレギュラーを取れるように」と控えめ。ただ、大器の4番を視野に考える大胆さこそが、新しさ。指揮官は「コンディションを見て、キャンプを見て判断します」と言及した。

「とにかく思い切ってやってほしい」。選手のその姿に、思い切った一手で応えていく。【阿部健吾】

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