「サランだよ」。ポカンとする報道陣に、巨人阿部慎之助監督(46)がにやりとした。「意味わかった?」と、「愛」を意味する韓国語だと伝え、練習場を後にした。直前、石塚裕惺内野手(19)に今キャンプ初のマンツーマン指導を敢行したばかりだった。

宮崎での春季キャンプ第2クール最終日の8日。寒波到来に午後の全体練習はなしに変更された。自主練習のため、木の花ドームに集まった選手ら。その中に送球練習を行う石塚がいた。見守り、助言を送った指揮官。そのメニューが終わった後だった。「バット持ってこい」。愛のムチの始まりだった。

阿部監督が若手時代に取り組み、指導者として期待の若手に課してきた股割りティー打撃。乳酸がたまった下半身で、ひたすら打ち続ける特訓だった。「(今日の練習は)軽めなんだと思ってたら最後にひっくり返りました」と石塚。時には四つんばいでもだえながら、250球以上。「監督自ら鍛えてくれてるので、意気に感じながら頑張りました」とやりぬいた。

「ありがとうございました!」。最後に感謝した時には、Tシャツは汗まみれ、手の皮はむけ、足はガクガク。ただ、充実の笑顔も。次世代のスーパースター候補が、必死に、全力で愛情に応えた証しだった。【阿部健吾】

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