日本ハム新庄剛志監督(54)がシーズンへ向けて布石を打った。1-0の3回1死三塁、打者五十幡の1ボールからの2球目。「ウチは特にスクイズめちゃめちゃ警戒されるから」と仕掛けたのはエンドランだった。これまでたくさん仕掛けてきたスクイズは他球団も対策してくるはず。それを上回る新たな選択肢もあることを示した形だ。

想定される作戦発動のタイミングは、この日のような1死三塁や無死三塁。「(内野が)前進守備の時にね」と相手が1点を奪われたくない状況だ。投手の意識も内野ゴロを“打たせる”ことに傾くため、右投手が三塁走者のスタートに気付いても「外しづらいでしょ、外さないでしょ」とイメージする。

もちろん、三塁走者も思いきりのいいスタートが求められる。難易度の高い作戦でも「難しいことを成功させられるチームになってきているから」と選手たちを信頼。五十幡は一ゴロを打ち、三塁走者の進藤が悠々と生還した。

新庄監督の磨き上げた野球観で的確な作戦を選択し、相手が絶対に点を取られたくない場面で奪う。だからこそ価値がある1点。相手にとっても守りにくい新たな攻撃オプションに確実性が増せば、昨季は12球団断トツの本塁打数を誇ったチームの覇権奪回は近づく。【木下大輔】

▽五十幡亮汰(3回1死三塁でエンドラン成功)「ヒットよりもチームプレーが成功したことに価値があると思う。そこの成功率はすごくチームとしてこだわっているとこ。その成功率を上げていけば信頼も勝ち取れる」