広島は25日、指定薬物のエトミデートを使用したとして医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕、起訴された羽月隆太郎内野手(25)との契約を24日に解除したと発表した。25日に自由契約選手として公示された。
球団は極めて重大な事案であると判断した。鈴木清明球団本部長(71)は「プロ野球選手としてふさわしくなく、社会問題化している事案の大きさを考え、厳格に処分する判断をしました。本人からは謝罪の言葉がありました。今後は再発防止に関する指導を徹底し、信頼回復に努めていきます」と説明。選手会の理解、コミッショナーの承認を得たのち、24日、本人に直接契約解除を通達した。
羽月被告は昨年12月16日に任意同行され、尿検査で陽性反応が出た。1月27日に逮捕され、翌28日に関係先からエトミデートを含んだカートリッジが複数見つかった。当初は否認していたが今月6日、使用を認める供述を始めたことが分かり、17日に広島地検に起訴され、18日に保釈された。
新井貴浩監督(49)は「監督として非常に責任を感じております。シーズン開幕を前にこのような事態となり、ファンの皆さまにご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、心よりおわび申し上げます。チーム全体で改めて事の重大さを自覚し、信頼回復に努めてまいります」とコメント。球団はすでに同被告の野球活動やグッズ販売を停止。捜査の進展を見守っていたが、本人と事実確認をしたことで契約解除を決定した。
◆羽月隆太郎(はつき・りゅうたろう)2000年(平12)4月19日、宮崎県生まれ。神村学園では1年時から二塁手レギュラー。2年夏は甲子園に出場し16強入り。18年ドラフト7位で広島に入団。20年8月7日阪神戦でプロ初出場。俊足が武器で、23年から3年連続2桁盗塁。昨季は主に途中出場からリーグ5位タイの17盗塁をマークした。26年の推定年俸は3100万円だった。168センチ、70キロ。右投げ左打ち。
◆エトミデート 短時間作用する鎮静剤。海外では医療分野で使われている場合があるが、日本では未承認。2025年5月26日に医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15号に定める「指定薬物」に指定された。使用量によって手足がけいれんして、ゾンビのように見えることから「ゾンビたばこ」とも呼ばれる。厚生労働省のホームページでは「当該成分を含む製品を摂取すると健康被害が起こるおそれがあるため、購入や摂取をしないように注意してください」と注意喚起している。



