西武栗山巧外野手(42)が今季初打席、いきなり初ヒットを打った。

教育リーグ・ロッテ戦に「5番DH」で出場。2回の第1打席で、ロッテ石川柊の143キロをレフト前へ転がした。イニングが終わり、ベンチへ戻る。後輩たちの「ナイスヒット」に、42歳は「うっす、うっす」と応えていった。

今季限りで引退する。栗山同様に、ファンも1試合1試合を大事に思う。まだ3月4日。栗山が試合出場する保証などないのに「1」のユニホーム姿のファンが多かった。

DHの時は、自分の打順に関係なくイニング頭に素振りに出てくることを、ファンも皆知っている。チェンジのたび、瞬時に何人ものファンがその姿にレンズを向ける。

そんな背番号1は指2本分、バットを短く持つ。バットを構える位置も、去年よりわずかに高い場所か。「いろいろ試しながら」。その時々の最適解を。探求はラストイヤーも続く。

春季教育リーグ。プロ25年目のベテランには似つかわしくない名称の試合でも、学ぶのみ。「流れについていくのが必死でした」という10代の頃から、その姿勢は貫き通す。

「今日は風も強いし、いきなり応用編みたいになりましたね」

それでも高い集中力で結果を出す。6回までチームの安打は栗山の1本のみだった。この日、所沢に舞ったおびただしい花粉も「ちゃんと対策してます」。準備に準備を重ねてきたからこそ、25年目の今がある。【金子真仁】