シーズン開幕を約2週間後に控えた11日、背番号「85」のアナウンスに、甲子園の虎党から祝福の拍手が送られた。阪神は、育成の嶋村麟士朗捕手(22)と支配下選手契約を締結したと発表。契約金1000万円、年俸420万円、背番号は128から85に変更される。前日10日の西武戦(甲子園)後、球団の応接室で吉報が伝えられた。

「最初に家族に伝えて、泣いて喜んでくれた」

四国IL高知から24年育成ドラフト2位で入団。同チームでプレーしたドリスが昨季背負った番号を継承する。

「ここからがスタートなので、自分のやることは変えずに高い向上心を持って、プレーしていきたい」

高知商、四国IL高知の先輩でもある藤川監督のもと、攻守にアピールを続けてきた。春季キャンプは主力中心の宜野座組で完走し、指揮官が挙げたMVP9人衆の1人。オープン戦も8試合で13打数6安打の打率4割6分2厘。8日の巨人戦では右翼へチームの26年1号アーチも運び、“打てる捕手”を印象づけた。

「(高校の)直属の先輩なので、大きな縁じゃないですけど、そういうのもあるのかなと。もっと監督に認めてもらえるレベルの高い選手になっていきたい」

この日の西武戦(甲子園)は「9番捕手」で出場。先発ラグズデールを4回1失点に導いた。藤川監督は「育成で入って、年俸(300万円)もほとんどの費用を野球道具に費やしてましたから。そういった部分がやっぱり野球に生きてくる」とストイックな姿勢に目を細めた。それでも嶋村は「自分のスローイングとか捕ってから遅かったり」とこの日3盗塁を許した反省を忘れない。次の目標は開幕1軍をつかんでの初安打とお立ち台だ。「嶋村のおかげで勝てたという意味でお立ち台に立ちたい」。ガッツマンが大歓声を全身で浴びるべく、貪欲に進化を続ける。※金額は推定【村松万里子】

○…阪神竹内球団本部副本部長 1軍の選手がどういう構成になるか分かりませんが左の代打とか、活躍の場は広がっていくのかなと思っています。30代の正捕手クラスの選手たちをどう追い抜いていけるか、実力を近づけられるかというのは楽しみに思っています。

嶋村麟士朗(しまむら・りんしろう)

◆生まれ 2003年(平15)7月13日、高知市出身。

◆球歴 潮江東小4年から潮江東スポーツ少年団で野球を始める。潮江中では軟式野球部に所属。選抜チームでは後に阪神入りする森木大智とバッテリーを組んだ。高知商では主に内外野手で、甲子園出場はなし。福井工大を中退し、22年8月に四国IL高知入団。23年に捕手でベストナインに選出。24年育成2位で阪神入団。

◆1年目から頭角 昨季はウエスタン・リーグで58試合に出場し打率2割6分6厘、1本塁打、22打点。

◆名前の由来 地元高知の幕末偉人・坂本龍馬の師匠でもあり、蒸気軍艦「咸臨丸(かんりんまる)」で太平洋横断を果たした勝海舟の通称「麟太郎(りんたろう)」にちなんだ。「母が龍馬好きなので」。

◆座右の銘 いつも通り。

◆好きなお笑い芸人 千鳥。

◆趣味 サウナ、自然を見ること。

◆サイズなど 177センチ、90キロ。右投げ左打ち。