森下は集中していた。初回1死の右翼守備。広島の2番中村奨のライン際への打球をワンバウンドでつかむと、一塁をオーバーランしていた打者を見逃さなかった。矢のような鋭い送球が一塁手大山のミットに収まった。戻り切れなかった中村奨はアウトの宣告を受けた。
「常に準備をしていたプレーだったので、試合の中でしっかり出すことができてよかったです」
相手の隙をついた好守備。広島新井監督はリプレー検証を要求したが、判定は覆らなかった。筒井壮外野守備兼走塁コーチ(51)は改めて森下のスローイング技術の高さを説明する。
「彼らしいナイスプレー。やっぱり彼の持ち味であるいわゆるアーム部門(スローイング能力)。送球の強さ、正確さというところを生かす上では、もちろん狙いながら、何かあった時にはやってやろうという中での好プレーだったと思います」
先発の村上を好守でアシスト。同コーチも「あれで流れがグッと来たと思う」とうなずいた。この日も4安打3打点。バットでの活躍が光るが、昨季自身初のゴールデングラブ賞を受賞した男は、高い守備力で流れを引き寄せた。【村松万里子】



