阪神木下里都投手(25)が緊急登板に3球で応えた。1点リードの7回2死一、二塁。2番手の畠が3球目を投じた直後、右手中指の違和感でマウンドを降りた。「気持ちだけはいつでもいけるように、と思っていた」。カウント2-1からマウンドへ。同学年のオリックス太田に初球フォークを見逃され3-1となり、2球目はフォークで空振り。最後は渾身(こんしん)の157キロ直球で空振り三振に仕留めてほえた。

「監督が『自信のある球を自信を持って投げてこい』とブルペンまで言いに来てくださったので、自分も本当に自信のある球を投げました」

数々の修羅場をくぐり抜けてきた指揮官の助言に感謝。火の球ばりの直球勝負で、火消しに成功した。

2年目で初めてのヒーローインタビューも経験。敵地とは思えないほどの虎党の大声援に「とても気持ちいい景色ですね」と笑みを浮かべた。

今季は中継ぎでスタートし、5月28日の日本ハム戦(甲子園)でプロ初先発。再び中継ぎに戻り、様々な役回りをこなす。藤川監督は「ああいうアクシデントの後というのはどうとらえるかで少し違うんですけど、監督の立場としては彼はチャンスを生かしたと思います」と評価。着実に経験を積む剛腕が、好救援で存在感を放った。【村松万里子】