DeNA石田裕太郎投手(24)が、120球の1安打完封で5月24日以来、今季4勝目を挙げた。7回まではノーヒットノーランという快投。最近4試合で3敗していた投手に、どんな変化が起きていたのかを解き明かす。
(1)フォーム変更 石田裕はこの試合、中8日での登板だった。通常より空いた期間を使い「フォーム見直して。ちょっと(腕の)アングルを下げた」。
元々サイドスロー気味だが、さらに腕の角度を下げた。ブルペンから手応えを感じていた。「自分の持ち味はやっぱり、そこ。いい意味で角度もないというか。今、ホームランバッターが増えていく中で、バットの上を行くような軌道なんで」。一般的に角度がある投球が良しとされる傾向があるが、必ずしも全ての投手には当てはまらない。阪神高橋遥人と同じく、一般的な投手と違う軌道であれば、その投球角度は個性となり、打者にとっては見慣れない軌道を描く。投手コーチらのデータ分析にたけているDeNAが、球団としてバックアップしている点も見逃せない。
(2)ライバル意識 先週、篠木健太郎、深沢鳳介と、年齢の近い投手が相次いで好投し、白星を挙げた。「僕も負けてられないなっていう気持ちでいた」。試合前まで防御率こそ3.00と悪くなかったが、勝敗は3勝8敗。黒星はリーグワーストだった。「本当にいいピッチャーがうじゃうじゃいるので、自分も1日たりとも気を抜いてられないなっていう。2人とも結果を出して、すごくいいピッチャーなので。元々2人は学生時代からすごいピッチャー、僕はもう全然だったので。本当にすごいなとテレビで見て思いますし、僕もしっかりくっついていけるように投げていきたい」と気合十分だった。
(3)メンタルコントロール マウンド上で冷静さを失わず、投球を俯瞰(ふかん)していた。8回、ボスラーに初安打を許した場面。試合後にノーヒットノーランについて「めっちゃ狙っていました。そんなに甘くなかった」と報道陣を笑わせながらも、実はメンタルは二段構えだった。
「ノーヒットノーランなんて(簡単に)できるものではないので、ノーヒットノーランをした自分と、打たれてノーヒットノーランが終わった自分をベンチで想像していたんで。何とかその後しっかりゲッツーで切れてよかった」。
5回1死まで四球もなく、パーフェクト投球だった。初四球は、サノーに与えたもの。7回は細川成也、サノーに2者連続四球。これは計算ずくだったため、ダメージはなかった。
「1発のあるバッターだったんで。フォアボールになっちゃったんですけど、しっかり、くさいところついてのフォアボールだったんで、まあいっかって感じで。ホームランとか長打が1番ダメな場面だったと思う。なんとか長打にはならないようにいった結果」。 試合前まで、78回で与四球はわずか14だった。制球力には自信がある。点差を考えた中で、投球全体をマネジメントしていた。
1安打完封は2年連続2度目となった。川村丈夫以来、球団史上2人目の快挙を成し遂げた。こうなると、三度目の正直でノーヒットノーランを狙うのか。
「やりたいけど、でもやりたいと思ってできるものじゃないんで。やっぱそこが自分の今の甘さなのかなと思いますし。無双して、全員バットに当たらないというタイプではないので。(バットに当たれば何か)事が起きるんで。それはしょうがないのかなと思います。狙いません」。自分のスタイルを崩さないよう、自制するように語った。【斎藤直樹】



