プロ野球12球団のオーナー会議が16日、都内で行われ、中学野球の財源確保を目的とした「野球振興くじ」の導入に向け、具体的に検討することが決まった。これまで超党派のスポーツ議員連盟側からの要請を受けて「球界くじ」について議論したことはあったが、今回はプロ野球界の最高意思決定機関である「オーナー会議」自体から提案がなされた。「非予想系」に限定し、今後はアマチュア団体を含めた野球界全体でスポーツ振興くじの対象に加わるか議論を進めていく。
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【解説】
今回のスポーツ振興くじの検討で、球界が最も神経をとがらせるのが「八百長」に対する根強いアレルギーだ。1969年から71年にかけて球界を揺るがした「黒い霧事件」のトラウマは半世紀以上が経過してもなお深く刻まれている。
スポーツ振興くじが、違法な賭博行為や八百長の誘発と同一視されるリスクは高い。一方で、24年3月にはドジャース大谷の通訳による違法賭博問題で世間が揺れ、昨年は開幕前に現役選手らのオンラインカジノ利用が大きな問題になった。だからこそ、公明正大を担保するための管理体制と、「ギャンブルとは明確に異なるスポーツ振興のための応援スキーム」であることの啓発活動に努める必要がある。
「くじ反対」の姿勢をとる日本プロ野球選手会との協議など、依然として課題は多い。だが、プロ野球が自らの収益力を生かし、アマ側と議論を尽くして「共生のための収益システム」を構築できれば、これまで縦割りに阻まれてきた野球界が、ようやく「一枚岩」として歩み出す歴史的契機となる可能性もある。【NPB担当・鳥谷越直子】
◆黒い霧事件 1969年(昭44)10月、プロ野球選手の八百長事件関与の疑惑が浮上し、西鉄ライオンズの選手が関係していたことが発覚した。70年5月、コミッショナー委員会の諮問会で、敗退行為を誘われたものを含めて西鉄では池永投手ら4人が永久失格処分を受けた。他球団でも東映の選手、オートレースの八百長に絡んだ中日の選手も永久失格となった。スター選手と暴力団員との「黒い交際」が相次いで表面化。西鉄オーナー辞任など社会的事件に発展した。池永氏は現金100万円を預かったことは認めたが、八百長への関与は一貫して否定。復権へ向け、嘆願書提出や署名運動などの活動が行われた。05年に永久失格処分の解除が決まり、35年ぶりに復権した。



