プロ入り初のホールドを挙げたオリックス田嶋大樹投手(30)が、右手のグラブを外すと手は震えていた。1点差に詰め寄られた6回1死満塁。初めてイニング途中、走者を背負った場面でマウンドに立った。対戦した楽天YG安田には3連続ボール。失投が許されない土俵際に立たされた。
「エスピの勝ちの権利をなんとかつなげられたらいい」。昨季まで先発専任、プロ9年目の経験が土壇場で生きた。初球で見逃しストライクを取ると、スライダーの5連投でファウルを連発。10球目の131キロフォークでYG安田のバットに空を切らせた。続く辰己には直球で左飛。11球で先発アンダーソン・エスピノーザ投手(28)のハーラートップタイの12勝目を守り切った。
「やっぱあの場面で行っているので。初めてですしね。2軍でも練習もしてない場面だったんで、自分が思っている以上に体がそういう反応を示しました」。プロ9年目、通算156試合目での初めて立った火消し登板が右手を震わせた。
田嶋は昨季までは8年間は先発専任だったが、今季は不振からシーズン途中にリリーフに配置転換された。11日に国内フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たしたばかりだ。
「先発だけというよりかは、オールマイティーに、中継ぎできて、火消しできて、ロングもできて、ってなると、いろんな場面で使ってもらえる。自分として道が広がったなとは思ってます。どこでもできる投手を、もう1個目標にしてやれるんじゃないかなとは思ってます」。手の震えが教えてくれた新たな投手像。先月30歳を迎えた左腕の目は輝いていた。【伊東大介】
▽オリックス・エスピノーザ(ソフトバンク前田悠に並ぶハーラートップタイ12勝目)「僕ができるのは、もう全力でプレーするだけなので、あと3試合(登板の)チャンスはあると思うので、全力で投げ切りたいと思ってます」



