巨人がロースコアゲームを劇的サヨナラ勝ちで決めた。9回1死一塁、泉口友汰内野手(27)が劇的なプロ初のサヨナラアーチをかけた。
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試合開始まで30分ほど。神宮球場の記者席から、何げなく巨人の三塁側ベンチ前に目をやった。4月の晴天の下で、泉口が1人、バットを振っていた。遠くを見つめながら。
その視線の先を追ってみた。100メートル以上先、一塁側のブルペンでは相手先発が最後の投げ込みをしていた。その1球1球に合わせて、タイミングを計っている。そう見えた。
数週間後。5月のいわき遠征でのヤクルト戦だった。同じように、1人、バットを振っていた。この地方球場でも、先発投手は遠くのブルペンで投げ込んでいた。確信した。屋外ブルペンで投球が見られる球場では、その機会を逃さずに、そこまで突き詰めて試合に備えている。
「特別なことではないかなと思ってます」。後日、本人に聞くと、いたって冷静な回答が返ってきた。準備力に目を見張った記者の興奮に応えられないことを、少し申し訳なさそうにしながら。
この日の9回。「いつもと変わらず冷静でした。もう、卓三さんのこと、忘れてました」と笑顔でサヨナラ弾を振り返った。直前、大城から「ホームランお願い」とおねだりされたが、1打に集中しきった。シーズン通して続ける準備のたまものでは? 本人は「特別」ではないかもしれない。ただ、だからこその自身初のサヨナラ打と勝手に納得している。【阿部健吾】



