20日のプロ野球で審判員のストライキという、最悪の事態は避けられる公算が高まった。15日、日本野球機構(NPB)との団体交渉を終えたサービス・流通連合の連帯労組プロ野球審判支部の岡本昌也委員長は「ストライキ回避に向けて前進した」とうなずいた。

 厚生年金に加入している審判員に対し、昨年末の組織統合を機にNPBは「審判との契約は請負の性格が強い」として継続は難しいと判断。3月から団交を重ねてきた。

 8日の団交で労組が20日にストを行うと通告して、事態は動いた。11日に労使がそろって中央社会保険事務所を訪れ、加入継続に向けた協議を開始。NPBが18日までに社保事務所に審判員の厚生年金維持に取り組むことを表明する文書を出すことで、スト回避の道筋が示された。

 社保事務所は、継続には来季から雇用契約に変更する必要があるとしていた。このため、労組側は今月末を期限とし、スト権まで確立して交渉していた。しかし、NPBの下田邦夫事務局長によると継続のための条件整備を進めることで「時間的猶予を与えてもらえることになった」という。

 スト回避の方向となったが、下田事務局長が「NPBとして譲れない部分もある」と言うように問題は解決していない。試合を犠牲にすることのない解決策が労使双方に求められている。

 [2009年9月15日17時19分]ソーシャルブックマーク