<ヤクルト1-4中日>◇14日◇神宮

 中日森野将彦内野手(29)が前半戦絶望の危機に立たされた。14日、ヤクルト8回戦(神宮)の3回、左足を痛めて負傷退場した。3番中堅で先発出場していた森野は川島慶の中堅への浅い飛球に反応しようとしたところ突然、左足を引きずって倒れた。そのままタンカに乗せられてベンチへ下がり、藤井と交代した。

 約15分後、トレーナーに付き添われた森野は松葉づえをついて球場出口に姿を見せた。タクシーに乗り込み東京都内の病院へ向かった。検査を終えて都内の宿舎に松葉づえ姿で戻ってきた森野は「(故障個所は)ふくらはぎです。見ての通りの状態なので…」とだけ話した。チーム方針で故障情報は発表されなかったが、左足ふくらはぎの肉離れとみられ、全治は約1カ月程度と思われる。森野は関係者に「やばい」と話しており、最悪の場合は前半戦を棒に振る可能性もありそうだ。

 森野は沖縄キャンプで左手第3中手骨を骨折。驚異的な回復力で開幕に間に合わせ、ここまで打率2割9分1厘、7本塁打、21打点。バッテリー以外全ポジションを守れる選手として落合中日のカギを握る存在だった。開幕からスタメンを固定してきた落合監督は「40試合目にして(スタメンが)変わるのか。39試合しかもたなかったか。144試合、同じメンバーでやるつもりだった。元気な選手で野球をやらせる。(中堅できるのは)限定される。明日考えるよ」と森野の登録抹消を明言。森野はきょう15日に名古屋に戻る予定だ。

 現在のスタメンでは左打者が森野と李しかいないため、長期離脱となれば打線の編成も難しくなる。また森野は北京五輪日本代表候補にも選ばれており、前半戦絶望となれば初めての五輪出場も絶望となる。