<阪神5-1西武>◇25日◇甲子園

 逆転の虎だ。しかも単打を連ねてリーグトップ72発の西武を粉砕した。1点を追う7回2死二塁、代打の葛城が西武小野寺のフォークボールを中前に打ち返した。23打席ぶりの安打で同点。「ずっと打っていなかったのでうれしい」。さらに前日のソフトバンク戦で逆転打を放った赤星が中前適時打で勝ち越し。平野が四球でつなぐと、新井が左前適時打、金本が右前適時打で続く。暴投もあって一挙5点で試合を決めた。今季は31勝のうち逆転は半数以上の17勝になった。

 初の2試合連続決勝打を放った赤星は「絶対に取り返してやろう」という思いで打席に入っていた。初回に打球をグラブの土手ではじき、今季初失策を記録。6回には再び中島の打球に足を滑らせ、単打が二塁打になった。これがG・G・佐藤の先制適時打につながった。「あれで1点入ったようなもの。転んでいなかったら、普通に二塁に投げたらアウト。僕さえ守れていれば、ゼロに抑えていた」。今季初登板の上園にベンチで謝り、汚名返上のチャンスを待っていた。新井、金本はもう1点取って救援陣を楽にさせたいと思っていた。新井は「何とか食らいついたって感じですね。何としても、もう1点とりたかったんでね」と言った。

 交流戦の3勝はいずれも7回以降に逆転している。岡田監督は「あの点差なら逆転しないといけない。みんなよくつないだ」とチームの底力に自信を深めた。貯金は今季最多タイの「16」。走り続ける猛虎は獅子でも止められない。