<西武12-3ソフトバンク>◇19日◇西武ドーム

 ソフトバンクの自力優勝が消えた。西武3連戦の初戦で3-12と完敗した。4回に5失点した先発ホールトン(29)から2被弾を含む大量失点リレー。打線も石井一を攻略できず、完封負け阻止が精いっぱい。残り34試合に全勝しても、西武がソフトバンクとの直接対決以外を全勝すれば、ホークスが勝率で下回るため、自力Vの可能性が消えた。

 苦々しい敗戦にしゃべる気力さえ奪われた。王監督は西武ドームの長い階段をずっとうつむいて進んだ。自力優勝の可能性が消失。試合数や日程の違いこそあるが、球団名がソフトバンクに変更後は06年8月27日を8日更新する史上「最速」の消滅日となった。

 1歩ずつ完敗の内容を振り返りながら、ぽつぽつと口を突いたのはあまりにも対照的な攻撃力だった。

 王監督

 当たりがこっちは弱いんだよな。片岡の(7回の安打)もああいう当たりで越えていく。うちは腰が入ってないんだよなあ。

 西武に2本塁打を含む14安打12得点の猛攻を許し、カード別の総失点はついに「100」に到達した。それに対し、ソフトバンク打線は石井一からわずか4安打。最終回に3番手平野から失策絡みで3点を奪うのがやっと。秋山チーフコーチも「西武打線はしっかり振れている。下が使えている。シーズン当初からそうだが、8月でもそれがあるのは本物」と実力を認め、「いいところは見習わないと」と、再び7・5ゲーム差と背中が遠くなった相手を教材にするよう求めた。

 敗者の行進の「終点」で王監督は「今日はコメントのしようがない。明日、明日」といって帰りのバスに乗り込んだ。この日は福岡から移動ゲーム。試合前はうどんを食べるなど体調は回復してきたが、大敗という後味ばかりが残った。ただシーズンは終わっていない。無安打に終わった4番小久保が前を見据えて言った。「西武にマジックが出たけど、あきらめるのは早い。最後までやるしかない」と。【押谷謙爾】