巨人ドラフト1位の注目ルーキー、大田泰示内野手(18=東海大相模)がいよいよベールを脱ぐ。1月31日、2月1日からの春季キャンプを前に宮崎入り。ヤンキース松井から受け継いだ背番号「55」のユニホーム姿で高校通算65本塁打の打撃を披露する。「期待されるのは幸せなこと」と気負いもなく先輩松井を超える開幕1軍を目指す。3月の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表を率いる巨人原辰徳監督(50)は世界一連覇、日本一のダブル必勝祈願を行った。

 大田の気持ちは高ぶっていた。東海大相模の卒業試験を終え、原監督以下首脳陣、ナインと宮崎入り。主砲ラミレスからは「大きいね。頑張れ」と言葉をかけてもらった。「期待しかないです。1軍、2軍が分かれると思うので、自分がどこまでできるかという期待があります。今まではジャージーを着てやっていたけど、明日からはユニホーム。うれしいです」。松井秀喜がチームを去った02年以来に復活する巨人の背番号「55」。後を受けた怪物がベールを脱ぐ。

 胸躍らせるのは大田だけではない。大田は1月の自主トレで屋外打撃練習を行っていないが、1日にはひむかスタジアムでフリー打撃を行う。93年宮崎キャンプ初日。高卒ルーキーだった松井は、逆風の中でバックスクリーン左へ135メートル弾を運び、当時の長嶋監督を「間違ってなかった」とうならせた。初フリーに照準を合わせ集中し、周囲の期待を確信に変えた。大田も思いは同じだ。キャンプインへ向けて練習してきた自負がある。

 大田は「55番をもらって、プレーに取り組む姿勢も見られていると実感があります。そのための体とメンタルの準備はしてきたつもりです。狙って本塁打を打つのも、見栄えはいいかもしれない。でも自分はバックスクリーンを狙って、打撃をしっかりする」とキッパリだ。

 本塁打は結果でセンター中心に広角に打つ。自らのスタイルを貫いて、新しい「55」をお披露目する。そんな期待の男に、原監督は「新しい力は大きなパワーになる。ケガなく、とにかくやるだけだ」とハッパをかけた。指導方針は決めている。「素晴らしい素材を持っている。自分が若い時は、どうしたら野球がうまくなるか、その1点だけを考えていた。その力になるのが監督、コーチだ」。正面から向き合い、時に厳しく叱咤(しった)しながら英才教育を施し、帝王学を伝授する。

 原監督は「同じ釜の飯を食べる時間をフルに活用して、有意義に使いたい。そのためには手段を選ばない。ノックだけじゃない」と話した。順調にいけば14日の紅白戦が実戦デビューとなる。ゴジラを継承する注目の男が、いよいよプロ人生をスタートさせる。【宮下敬至】

 [2009年2月1日9時35分

 紙面から]ソーシャルブックマーク