メンチの“愛は止まらない”。注目の新助っ人ケビン・メンチ外野手(31=ブルージェイズ)が功打と激走で安芸デビュー戦を盛り上げた。4回1死一、三塁で124キロチェンジアップをとらえた。左翼手の頭上を越える適時二塁打。続く葛城の右前打で、183センチ100キロの巨漢が暴走機関車になった。

 三塁山脇コーチは両手を大きく広げて「ストップ」。メンチは「日米でサインが違う。オレに抱きつきたいのかと思ったんだ」とうそぶいた。コーチの求愛ポーズから逃げるように、三塁を蹴って加速。中継が乱れ、返球は本塁に届かなかったが、最後はスライディングでホームイン!

 

 生還を祝福しようと白組ナインがハイタッチ。上機嫌で応じつつ、最後に真弓監督に抱きついた。今度は指揮官が、この愛を受け止められなかった。

 「サインが分からなかったって。でもアイツ、性格的に何でも行くんだろうな」。走りだしたら止まらないメンチの突撃精神に苦笑した。それでも「打った結果もそうだし、見逃し、空振りの形もいい」と評価。22日の紅白戦では初めて実戦で右翼守備に就かせる。

 ちなみに米国での制止は両手を上に掲げるバレーボールのブロックのようなしぐさ。とにかく、本塁へのアタックはナンバーワンの迫力だった。【町田達彦】

 [2009年2月22日12時1分

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