<オープン戦:中日1-3オリックス>◇27日◇ナゴヤドーム

 中日吉見一起投手(24)が27日、オープン戦最終登板で好投し、初の開幕投手を務める可能性が高まった。オリックス戦(ナゴヤドーム)に先発し6回を4安打2失点。キャンプから改良に取り組んできたフォークで3三振を奪うなど、10勝した昨年からさらに進化した姿を見せつけた。昨年まで4年連続開幕投手を務めた川上に代わり、投手陣を支えていく。

 吉見はフォークを決め球にアウトを重ねた。3回1死から、この日3つめの三振を大引からフォークで取った。4回2死からローズを仕留めたのも内角フォーク。5回に北川の右犠飛で1点を失ったが、続く日高も決め球で三振に仕留めた。キレ味鋭い宝刀で140キロ台中盤の直球も生かし、6イニングを4安打2失点。開幕までの最終登板を上々の内容で終えた。

 「初回から集中していた。結果を見ればまあまあ。絶好調ではなかったですが粘り強く投げられました」

 進化した自負がある。昨年10勝し、他球団からマークされるようになった。キャンプから取り組んできたのは、相手の対策を上回る自らの上積み。その1つが低めに集めるフォークだ。NO・1の使い手として知られるOB杉下茂臨時コーチから投げ方を教わり、実戦で磨いてきた。この日も決め球として使えたところに、手ごたえの源がある。

 4月3日、横浜との開幕戦で先発する可能性が高まった。昨年までのエース川上がブレーブスへのFA移籍で抜け、絶対的な軸は不在。キャンプから着実に結果を残してきた吉見は代役の資格十分だ。「中5日といううわさもあるので(開幕まで中6日となる)ボクはあてはまらないと思います。誰かが1本立ちというよりみんなで力を合わせればいい」。控えめに話したが、あとは本番に向け調整していくだけとなった。

 森バッテリーチーフコーチは「開幕ローテ?

 とっくに決まってる」と話すにとどめたが、この日の投球には納得しているもよう。今季は先発を原則5人で回す方針だが、その中心に吉見がいる。【村野

 森】

 [2009年3月28日12時1分

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