<中日10-7阪神>◇26日◇ナゴヤドーム

 阪神真弓明信監督(56)は必死に笑みをつくろうとしたが、引きつった。今季135試合目の佳境で、今季ワーストの5点差逆転負け。「痛いね…」と絞り出すように言葉を吐いた。

 非情になりきれなかった。毎回のように痛打を浴びて、小刻みに失点を重ねた先発下柳をスイッチする機会を逸した。打線が1回に速攻で4点を奪い、2点を返されたが4回に3点を追加した。その時点で5点差のリード。しかしベテラン左腕が9勝目を目前に、5回途中5失点で降板。「いって欲しかったけどね、5回まで。でも5点では(交代は)しようがない。少し遅すぎたのかもしれない」と振り返った。

 わずかなためらいが致命傷となり、ミスを認めるしかなかった。マウンド上の投手を信じたのは、続く6回も同じだった。下柳の残したピンチを切り抜けた2番手江草に、1イニングを託したが、不運な当たりもあって2死満塁まで攻め込まれる。3番森野の打球が足元を襲うと、三塁方向に蹴ってまで食い止めようとしたが、内野安打となって1点差。真弓監督は「あれも後ろに野手(鳥谷)がいたんじゃないか。もったいない」と球際のプレーを嘆いた。悔やむ間もなく、ブランコの逆転3点適時二塁打。「相性というか、他の投手よりも江草がいいかなという判断だった」と指揮官は言う。絶体絶命での続投も、その前のイニングにブランコの打席で江草を送ったのも、右打者のブランコが左腕を苦手にしているデータからだった。結果は裏目となった。

 下柳、江草の左腕2枚で守りきれず、「魔の土曜日」はこれで5連敗、通算で5勝19敗1分けと散々だ。負け方が負け方だけに、痛すぎる1敗となった。【町田達彦】

 [2009年9月27日9時15分

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