<ヤクルト7-1阪神>◇28日◇神宮
鋭い打球が一、二塁間を抜ける。神宮の左翼席に元気が戻った。その瞬間、虎党は逆転を夢見た。意地だった。ベテラン2人が必死でツバメにかみついた。
2点先制された直後の7回。マウンド上にはヤクルト高木。6回まで3安打無失点に封じられていた相手に襲いかかった。先頭は8番阪神矢野輝弘捕手(40)。カウント2-2と追い込まれながら、5球目の外角高め134キロ直球に食らいついた。打球は右翼フェンスに直撃。40歳は迷わず二塁ベースを蹴り、今季初の三塁打を記録した。
この激走が40歳桧山進次郎外野手(40)の闘志に火をつける。無死三塁の場面で代打登場。「矢野さんが三塁まで行ってくれていたので、気持ちを楽にして、集中して打席に入ることができました」。カウント0-1からの2球目。甘く入ったファーストストライクを見逃さない。いつも通り短く持ったバットを振り下ろし、無我夢中で外寄り129キロフォークをとらえた。「打った球はよく分かりません」。一、二塁間真っ二つの右前適時打で1点差に迫った。
「代打の神様」は苦しんでいた。9月1日ヤクルト戦(甲子園)で中前適時打を放って以来、快音から遠ざかっていた。この日まで13打席連続ノーヒット。そのうち6打席は三振を喫していた。CS進出をかけた激闘に身を置きながら、バットで貢献できない毎日。自責の念にも苦しんだが、やっとトンネルを抜け出した。14打席ぶりの安打で今季9打点目もマークし、一瞬だけでも流れを変えた。
ただ、チームが負ければ悔しさしか残らない。試合後、三塁ベンチからの帰り道。「う~ん…」。なかなか言葉が続かなかった。3位ヤクルトとの直接対決に敗れ、ファンの視線が突き刺さる。「個人的にはヒットが出てホッとしたという部分もあるけどね…」。笑える訳がない。今は勝利だけが欲しい。
[2009年9月29日11時0分
紙面から]ソーシャルブックマーク




