阪神は24日、メジャーへの挑戦願望を持つ藤川球児投手(29)に対し、ポスティング移籍を認めない方針をあらためて表明した。藤川は前日23日、来季の阪神残留を決意しながらも、今オフの契約更改でメジャー挑戦を訴えることを明かしていた。沼沢正二球団本部長はこの日、兵庫県内のゴルフ場で取材に応じた。「男が1度言ったことは変わらないだろう。でも、ウチの宝、球界の宝ですから」と説明。07年オフにメジャーへの思いを熱く語っており、今回の発言もその流れと受け止めている。その上で、容認しないことを明言した。

 阪神にはポスティング移籍を認めた前例があった。06年オフにこの制度を活用して、井川がヤンキースに移った。なぜ藤川はダメなのか?

 沼沢球団本部長は「井川は先発だったので、何人かの中でポスト井川が出てくれば…、という考えだった。藤川はクローザー。代わるメドが立てば、井川のようなこともあるだろうが、今は考えていないし、考えられない」と説明した。ポスティングは米球界から多額の移籍金が球団に入り、“おいしい”面もあるが「やすやすとは出したくない。ビジネス以前の問題」と否定した。

 球団の姿勢が変わらなければ、藤川は海外FA権を取得する12年オフを待たなければならない。今後は基本的に代理人と契約交渉を重ねることになる。ともかく来年も甲子園で藤川のストレートが見られることは間違いない。真弓監督も「絶対にウチでは外されない所だから」と守護神での起用を断言した。【田口真一郎】

 [2009年11月25日11時19分

 紙面から]ソーシャルブックマーク