<ソフトバンク3-8楽天>◇17日◇ヤフードーム

 楽天の窮地を、エースが救った。岩隈久志投手(29)が9回120球、9奪三振、無四球の熱投で、今季初の完投勝利を収めた。前夜の敗戦で4連敗となり、チームの雰囲気はどん底だった。「とにかく連敗を止められるようにと考えていた」。勝利の2文字だけを求め、マウンドに立った。

 だが、1回に2点先制を許してしまう。先頭の川崎は高いバウンドの遊撃内野安打。その後3番オーティズへの初球。「すべって、シュート回転してしまいました」と苦笑いする逆球を、左越え本塁打とされた。ただし、そこからが真骨頂だった。2回から3イニング連続の3者凡退。エースの投球が、打線の爆発、そして逆転勝利を呼び込んだ。「今日はどの球種もバランス良く投げられた。5回くらいから『完投、行ける』と思った」と、ソフトバンク打線を力でねじ伏せた。

 自身の成績も2勝2敗と借金完済。「チームの連敗を止められたのが一番よかったですけど、僕も勝ちが多い方が、いいですからね」と、はにかんだ。エースの貯金がチームを上昇させるはずだ。【金子航】

 [2010年4月18日9時36分

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